2017年11月23日

本気で限界を感じた事件(3)

ご訪問ありがとうございます。

そして、新たなる事件が勃発した。

コンビニ経営者を悩ませる日常の事件と言えば、やはり万引きだ。そして、最悪なのが、以前も記事にしたが、常連客の万引きだ。

店舗側の協力的な利便を優先的に心がけて、常連様に対しては常に感謝の気持を抱いて接している場合が殆どだろう。

しかし、こちらのそんな好意的な気持ちを一瞬にして破壊し、人間不信へ突き落とされるのが、この常連客の万引きだ。

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「まさか、アノ人が。信じられない。」

一瞬にして常連客を失い、売り上げも失い、ダブルパンチで落ち込む。



その事件とは、私のルーチンであるトイレ清掃から発覚する。

某日の深夜、いつものようにトイレ清掃をするべく、トイレのドアを開けた。


「ウソだろ、ありえねー!」

 
なんとトイレブラシがケースごとなくなっていたのだ!

いたずらの可能性もあるので、店内および、内外のゴミ箱も調べたが、なかった。

「あんなもんパクって、自分で使うのかよ。マジ、信じらんねー!」

前日の朝には確かにあった。ということは、もしパクッたなら、今から20時間以内の犯行だと確信する。しかも、柄が長いので、トイレから持ち出せば、かならず目立つはずだ。

防犯ビデオを再生して念入りに探した。

すると、運よくスグにそれらしき映像にたどり着けた。

そして、愕然とした。

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なんと、あのスジ系イケメンじゃないか!

彼とは、例の箸の事件からは、割と良好な関係になりつつあった。普通に挨拶をして、世間話もするし、マネージャーとも楽しげに話をしていたのを何度も見ていた。普通のいい常連さん、という認識が生まれつつあった矢先の事件であり、かなり衝撃的であった。

しかし、ビデオの映像は異常そのものだった。

トイレブラシをケースごとレジ袋に入れて持ち出している。しかも、そのレジ袋は、直前に当店のスタッフからレジ前で頂戴しているのだ。盗みを働くための入れ物をその盗む人からもらうというその信じられない精神構造が恐ろしかった。

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さらに恐れ入ったのは、全然悪びれておらず、堂々と余裕でトイレから出てきて、そして、平然と歩いて当店イートインに入り込んでコーヒーを飲んでいたことだ。しかも、盗んだブツは、イートイン入り口付近に放置していた。

そして、しばらくして、堂々と余裕で、ブツを忘れずに手に取り、出て行ったのだ。

何年もコンビニをやってきたが、こんな客は見たことがなかった。

そして、わたしは直感的に感じてしまった。

それは、こんな異常な人間なら、正々堂々と店内の商品も盗んでいるに違いないだろうという悲観的推理、憶測だった。

この手の直感は、かなりの確立で的中となる。

そして、ヤツがやって来た数日前の店内の録画を再生してみて、これまた愕然とした。

なんと、ヤツは、レジ内のスタッフの様子をこまめにちらちら確認してから、しゃがみこんでターゲットを複数個無造作に、持参した黒のビニール袋に押し込んでいた。

なんの躊躇もまく、情け容赦ない。

DHCの高額なサプリを陳列品一列全部、Tシャツを3袋全部、Unoの高額のムース全部・・・

店員の動向はキチンとチェックしていたが、周囲の人間は完全に無視して犯行を繰り返していた。

そして、大胆にも、その戦利品をレジ前の手荷物置き台に堂々と置いて、セルフコーヒーを一杯買って、何食わぬ顔で出て行った。

私が知らない時間帯で、こんな大胆な犯罪が繰り広げられていたとはまさに晴天の辟易だった。

さらに驚かされたのは、その後の追跡で判明したのだが、深夜の私の不在時にやってきて、スタッフとレジ前でなにやら楽しそうに笑顔で会話をしていた映像に、とんでもないヤツの手品パフォーマンスが写っていたことだ。

話をしながら、ガムラックに陳列されていたボトルガムを手にして、念入りに眺めてはまた元に戻して、また違うボトルを手にしていた。いかにも、ガムボトルを買うために品定めをしているように見えた。

買うのかな?と思ったその瞬間、スタッフの視線がそれたほんの隙をみてポケットに押し込んだのだ!

勿論、なんの違和感もなく笑顔でやっていた。

スタッフも、なんら疑う余地はない。ただ単に買うのを辞めて、元に戻したのだろう、と思うのが普通だ。

万引きは人目を盗んでやるという、従来の固定観念が一瞬にして崩された瞬間であった。

店員と話をしながら、手品のように平然と笑顔でパクる。


たまったもんじゃない。こいつを出入り禁止にしない限り、私の利益は食いつぶされ続ける。

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敵は、人目を盗んで大量に盗み、また店員と対峙しながらも平然とパクっていく。

私が知りうる、常連の万引きのレベルをはるかに超えているこの男には完全にお手上げ状態だった。

本部に相談しても、なんら有効な解決策は得られなかった。

入店時声かけ、店内巡回、近くでの品出しなどのオーソドックスな対策は通用しない。

やはり、現行犯で捕まえて、警察沙汰にするしかないのだろう。警察も、現行犯確保でなければ門前払いだ。

そして、敵は、かなりヤバそうな裏社会で仕事をしている人間らしい。

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取引相手は、その筋の人間だと語っていた。下手に手を打つと、とんでもないしっぺ返しを喰らう可能性は否定できない。

露骨な営業妨害も覚悟しなければならない。また、スタッフの身の安全を考えると、どうしても決断が鈍る。

しかし、このまま野放しにしておくわけにはいかないのは分りきっていた。なんとかしなければ売り上げ下降による収入減がさらに悪化してゆくのは目に見えていた。

また、敵は24時間神出鬼没するので、24時間監視するのでは私の身がもたない。

八方塞とは、正にこのことだろう。

しかし、事態は緊急を要し、赤信号が点灯している。

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業績悪化の現実的な困難、店舗存続の危機という近未来の不安、廃業の可能性のストレス、葛藤。

そして、自分が寝ている間にも、ヤツが来て物を盗んでいるかも知れない。とにかく、眠れない。


まさに、ノイローゼ寸前だった。



しかし、その後、事態は急展開することになる。


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posted by Sun9 at 23:57| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする