20の理由
1.時間的自由がない
2.家族との団らんはほぼ不可能
3.子育ての困難
4.24時間365日精神的に拘束される
5.経済的に不安定
6.本部と店舗大家さんとのトラブルによる被害
7.廃業が困難
8.辞めた後の再就職がかなり困難
9.契約満了でも保証金は帰ってこない(可能性大)
10.店舗営業の多種多様なオペレーションの徹底が困難
11.(1)契約内容が曖昧(2)取り決めが突然変更になる
12.クレーマーとクレーム処理
13.突然キレるお客様
14.雇用関係のトラブル
15.強盗、万引き、詐欺、内部不正等の犯罪被害(1.万引)
(2.内部不正) (2.追記) (3.詐欺) (4.強盗)
16.24時間、自分が犯罪者になるかもしれない恐怖
17. 店鋪トイレ内での迷惑行為
18.予期せぬ店舗施設備品の修繕費の負担
19.隣近所からの苦情
20.店舗敷地内、駐車場でのトラブル

追加的理由
21.人間関係に翻弄される
22.ストーカーによる被害
23.慢性的な人手不足
24.DQNとの戦い

2015年11月24日

第32話 少子高齢化

ご訪問ありがとうございます。

20の理由も残りあと5話となりました。
ここで、ふと思い出した出来事をご紹介させて頂きます。


これは、移転前の店舗での話しですので、10年以上も前の話しとなります。


コンビニの深夜帯、午前2時から4時くらいまでのお客様のご来店はかなり激減します。0人の場合もあります。お見えになるお客様もほぼ常連のお客様がほとんどです。当時、ハーフっぽい美人系ママさん風のお客様がいらっしゃいました。

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大抵、一言二言話すうちに普通のお客様から常連のお客様の認識が芽生えていきます。

いつものようにママさんが現れ、何気ない話しをしていました。



「じゃね、店長」

「おやすみなさいませ」(日本語としておかしいかも)

このいつものoneシーンで深夜時間帯の一区切りを感じていました。



「ねー、店長、ちょっと聞いてくれる!」

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帰った筈のママさんがお化け屋敷から出て来たような恐怖感に満ちた顔で再び店に飛び込んで来ました。

「どうしたんですか?何かあったんですか?」

「絶対におかしい!私の隣に住んでいるおじいちゃんなんだけど、最初は出かけていて留守なんだと思っていたんだけど、もう1週間近くも、新聞は溜まっているし、電気もついてるのよ!おかしいでしょ?家の中で孤独死したかもしれないじゃない?そう考えると、怖くて家の中に入れないのよ。どうしたらいい?」

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「電気消し忘れて、本当に出かけているっていう可能性はないですか?」

「あり得ない、絶対あり得ない。いままで、そんな事なかったし。」

私は、困惑しました。帰宅するそぶりのないママさんは、完全に怯えていました。

「わかりました。それでは、私が警察に電話して事情を説明してみます。」

「お願い!ありがとう!」

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私はスグに110番して、家の中で亡くなっている可能性が高いと強調して、ママさんの話しを忠実に伝えました。それから、パトカーが来てママさんと現場へ向かいました。



「店長!やっぱり、亡くなっていた!」


紅潮したママさんは興奮気味にそう叫んで店に飛び込んで来ました。

その集合住宅の管理人立ち会いでその部屋に入り、事実が確認されたそうです。その後、救急車が来てご遺体を移動されたそうです。

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ママさんのアクションがなければ、そのお年寄りはかなりヤバい状態になるまで発見されなかった可能性大です。



先日も、自宅の隣にあるアパートで、一人暮らしのお年寄りが孤独死しているのが発見されて大騒ぎになりました。

少子高齢化の陰が身近に感じられれました。

これからますます孤独死は増加してゆくかもしれないと思いました。

なんか、淋しいですよね。


そして、もっと淋しかったのはママさんがその事件後、姿をみせなくなった事でした。

多分、引っ越しをされたのでしょうか?



コンビニのオーナーは、お客様の利便と不安解消、社会貢献のため時として自らの判断で110番、119番通報をしなければいけない時がありました。



ご訪問ありがとうごさいました。
posted by Sun9 at 01:02| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第33話 パンチ君

ご訪問ありがとうございます。


こんな出来事を思い出しました。

以前、パンチパーマという髪型がはやっていた頃の話しです。明確な時期が思い出せませんが、キーワードがパンチパーマです。パンチ佐藤氏がご活躍されていた時でしょうか。そんな時期に、パンチ軍団と呼ばれていた(店舗スタッフの間で)少年達がいました。どう見ても高校生位で、いつも5〜6人の集団で行動していました。

偏見を持った人から見れば、かなりの威圧感があったと思います。彼らはその上眉毛も剃り、人相もかなり悪く見えました。大人達から見れば

札付きの不良達

に見えたかもしれません。

彼らは、店に集団で来て、買い物をすると速やかに出て行きました。別段、普通のお客様と変わりませんでした。ただ、最初は見た目でかなりの威圧感があり、ある種の恐怖感を抱きました。

集団で計画的にパクられたどう対応しようか。
なんか因縁付けられて絡まれたどうしよう。
店の内外で長時間たむろされたら他のお客様に悪影響を及ぼすだろう。


しかし彼らはごく普通の少年達でした。
普通に挨拶もすれば、きちんと丁寧な言葉で会話をしました。

一言二言言葉を交わすうちに常連のお客様としての認識が芽生えてきました。

彼らは、地元の元高校生達で、バイトをしたり友達とつるんで青春を謳歌していました。

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そんなある日の事、軍団のリーダー格の少年が店内の小スペース(弁当や飲み物を飲食するスペース)で長時間一人で長居する頻度が増して来た事に気がつきました。


「どうしたんですか?家に帰らないんですか?親が心配していますよ。」
「最近、遅くまでここにいるけど、大丈夫なんですか?」


深夜の2時頃になっても帰ろうとしない彼に、声をかけてみました。すると彼は、重い口を開きました。内容を要約すると、両親が小学生の頃離婚して、父親と生活してきた。その父親が、最近再婚してその女性(新たな母親となる方)が小学生の子供を連れて来た。父親とその女性とその子供の輪に入って行けずに、今の家に自分の居場所がなくなった。

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家に居ても落ち着かない。家を出たいが資金もない。今は、友達の家を転々としているがそう何回も友達の家に迷惑をかけられない。どうしようもなくて、ここ(店内の小スペース)にいる。


複雑な家庭環境で私が体験した事のない状況に置かれているパンチ君の気持は理解したくてもできない。もちろん無責任な発言はできないし、したくもない。現状で困っている彼を救うことは出来ないが、しばしの休息なら提供できる。

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「それじゃ、ここで朝までいても構わないけど、あからさまに寝ているという状態はご遠慮頂きたい。他のお客様に真似されたら、注意出来なくなってしまうので。ちょっと、申し訳ないけど、起きてるような状態で寝てもらってもいいですか?」

パンチ君は喜んで私の提案を快諾してくれました。そして、廃棄になる弁当とか食べる物を無償で提供しました。

そして、その後、彼のご両親とおぼしき人物が息子の行方を探して店舗に訪問されて来ました。


「パンチパーマの柄の悪そうな高校生位の子供達が来てませんか?」


スグにピンと来ましたが私は悩みました。


「いつも夜ここにいますよ。」


とは言えませんでした。ご両親が深夜彼のいる時間に店舗にやって来て、修羅場になる可能性もあります。他のお客様の手前もあります。取りあえず、安否の確認だけでも出来れば安心してもらえるかも知れない、と考えました。

「多分、それらしきお客様がいらっしゃいますので、ビデオご覧になりますか?」

ご両親に息子さんが軍団で来店しているときの防犯ビデオを見て頂いて息子の安否を確認してもらいました。ご両親はやや安心して店を後にしました。もし、又息子がまた店に来たら心配しているから連絡だけでもいいからしてくれと伝えて欲しいとのことでした。




「いいご両親じゃないですか。凄く心配していましたよ。特にお母さんは本気で心配していて、息子のいそうな所を必死で探しまわっている様子でした。取りあえず、心配ないって一言電話してみてもいいんじゃないでしょうか?」


パンチ君は黙って一点を見つめていました。


その後、パンチ君はある日突然姿を見せなくなり、私の記憶からもほぼ消えかけていました。


コンビニのオーナーは時としてお客様の悩み事に、不運、不幸に巻き込まれる事がある。そして、深入せずに、現状で出来る範囲の協力、助言、提案は惜しまず提供しました。
(あくまでも私の場合です)




「店長、お久しぶりです。誰だか分かりますか?」

ガタイのいい好青年がキラキラした瞳で、いい笑顔を添えて語りかけて来た。突然の出来事に戸惑いを隠せず、

「えーっと、申し訳ございません。どちら様でしょうか?」

「あのときは、本当にお世話になりました。店で何日も寝かせてもらって、ご飯まで出してもらって。」

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「あー、あの時の!久しぶりですね。元気でしたか?」

もう、あれから5〜6年は経っていたと思います。話しによると、パンチ君はその後、自宅に帰り親と話し合い、家を出て働くという選択をしたそうです。細かい話しは思い出せませんが、私が感動したのはその後建築関係の仕事をして、手に職を付け見事に独立して、会社を立ち上げて小さいながらも社長として充実した日々を送っているということでした。確かその時パンチ君は20代前半だったハズです。

正直パンチ君のサクセスストーリーに嫉妬を禁じ得ませんでした。

私みたいに、金でオーナーの地位を得た人間と、自力で努力を積み重ね、そして会社を立ち上げ日々頑張っている人間。どちらが「いいね!」を取れるか一目瞭然だ。しかも、20代前半の若さでだ。なんだか、自分がとてもちっぽけに見えた。

いかにも建築系の体つきで全身からあふれ出る充実オーラがまぶしかった。

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いやいやいや、私も負けてられない!

気合いで頑張って、真の経営者に進化してみせる!!

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しかし、破産でした。

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ご訪問ありがとうございました。
posted by Sun9 at 23:24| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月04日

第35話 外国人が驚くコンビニ本

ご訪問ありがとうございます。


こんな事がありました。


移転する前の店鋪での話しです。

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入店された若い女性(20代前半?)が左方向に歩いて行かれました。突き当たりの本売場のコーナーを右に曲がろうとしたとたんに、早歩きで戻ってきて、あわてて店を出て行きました。

その挙動が尋常ではなったのでなんぞや?と思い、その雑誌コーナーに直行してみました。そして、そこには
異様な光景が展開されていました。

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顔見知りの高学年の小学生が右手をポケットに突っ込んで小刻みに動いています。左手に○○本を持って。

さっきの女性はこの光景を目の当たりにして、驚いて出て行かれたのだろう。

同じ男として気持は理解できるが、なにも人の店で(公共の場で)する行為ではないだろう。


「きみさー、気持は分かるけど、お店の中では他のお客様の迷惑になるので辞めてもらっていいですか?」

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突然の声に、後ろから拳銃でも突きつけられたかのような驚き方だった。

「すす、すいません。」と完全に動揺して、逃げるように店を出て行きました。


いまでこそ、その類いの本はテープで止めてあったり、店鋪でビニール袋に入れたり、また、その地域の条例で売場を普通の本と区別して陳列するなどして、かなり気を使って販売していますが、以前は全くのノーガードで普通の本と一緒に並んでいました。もちろん少年少女の目に触れることもしばしばでした。

当時、コンビニにその類いの本は必要なのかどうか本部に聞いてみた事があります。その答えは、


「利益率もいいし、置けば良く売れるんですよ。」


確かにおっしゃる通りでしょう。しかし、外国人の方々はコンビニの品揃えとして○○本が堂々と置かれていることに驚かれているそうです。売上至上主義のコンビニ業界ではあまり問題視されていないようですが、結構トラブルも多かったです。

1.一冊一冊ビーニールに入れるのが大変
2.ビニールを開けて、本のとじテープを剥がして、堂々と立ち読みをする
3.添付のDVDをパクってく→返品できない
4.万引の被害が多い
5.返品する時にビニールから取り出さなければならない

個人的な建前的意見としたら、青少年の為に販売を辞めるべきだと思います。しかしながら、日々の売上に少しでもプラスになるならやむを得ないというのが本音でした。

本部は昨年対比の売上達成率を突きつけて、プレッシャーをかけてきます。

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「オーナーさん、先月は昨対(昨年対比)95%ですよ。特に弁当類の落ち込みが顕著です。もっと売れ筋を把握してボリューム陳列しましょう。」

天下国家社会はどうでもいい。自分の店が売上取れなければ生活できないんだから、と考えてしまいます。


先程の小学生は、後日生理用品をトイレに持ち込んで、中で開封している所を現行犯で押さえました。

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そういう事に興味を抱く年頃の少年少女の目の前に平然と○○本を陳列しなければならないというのもなんだか辛いですよね。


可愛い小学生低学年の女の子がその類いの本を平然と読んでいた時にはさすがに引きました。注意しなければいけないのに、すぐに注意出来ませんでした。少年ならまだしもあどけない少女がそのような事に興味を抱き、目の前で○○本を読んでいる。

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何て言って注意するべきなんだろうか。

迷って、ぐずぐずしているうちに彼女は店を出て行きました。

現状では、各店舗それなりの対応策はしており、直接的なそのような少年少女の行為はあり得ないにしても、中のDVDを抜き取ったり、本そのものを持ち去るという被害に繋がっていると思われます。


ご訪問ありがとうございました。



posted by Sun9 at 22:49| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月17日

第37話 株式上場で得たもの

ご訪問ありがとうございます。

こんな事を思い出しました。


超マイナーな三流(?)チェーンゆえの悲劇はやはり知名度でした。
その名を告げても99%、

「何それ?、見た事も聞いた事もないよ」

悲しい現実を何度も思い知らされました。

しかし、そんな本部も株式上場の悲願をついに達成しました。

上場の事実を知り、加盟店オーナー達の期待も沸騰していました。

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「これで、少しは知名度も上がるだろう。そして、上場の恩恵を少しでも得る事が出来るだろう」

「株はどのような形で所有出来るのだろうか。」

「上場初値はいったいいくら位になるのだろうか」

「長年の苦労がやっと報われるよ」

期待はオーナー達のそれぞれの夢と希望に進化して、その詳しい情報の開示を心待ちにしていました。

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「オーナーさん達には店という財産があるでしょ!」 


耳を疑いました。

オーナー連中には株は一切渡さない!

それが本部の方針でした。


「本部と加盟店は運命共同体じゃないんですか?本部だけ果実を独り占めするなんて理解に苦しみます。」

「会社(上の人間)が決めた事だから、どうしようもないです。」

困惑気味に返答する本部担当に罪はない。


しかし、私を含め、かなりのオーナー連中がどれだけ落胆したことでしょうか。

私は、極秘で、その理由を知ってしまいました。本部の某部署の人間が口を滑らせました。


「上場と同時に、多額の利益を得たオーナー達が違約金払って辞めたいというケースが絶対出てくるからね。それだけは絶対避けなければならない。」

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まるで加盟店を信用していないこの発言には返す言葉が見つかりませんでした。本部上層部の人間がそのような根拠を抱いていたという証拠は何処にもありませんが、火のない所には煙はたたないでしょう。


株券という、<切り札> は渡さない。
不労所得は許さない。

オーナーさん達は大切な 小作人 ですから。

生かさず殺さず休ませず、働かせろ!

と考えていたかは不明ですが、そういう環境を数百万円払って手に入れて、猿山の大将を気取っていた自分が情けなく、悔しく思いました。

本部も下流チェーンからの脱却を目視して頑張って来た。そして、株式の上場とともに、万が一大量の加盟店が離脱してマスコミのネタにされたらそれこそ何のための上場だったのか分からなくなってしまう。気持は分かるが、もう少しなんとかならなかったのだろうか。株の売却を何年か禁止する条件を盛るとか。とにかく本部は、よしくも悪しくも、この上場のお祭り騒ぎの渦中にオーナー連中を巻き込みたくないと考えていたのでしょう。

建前的には、
「株の事は忘れて、日々の営業に専念してください。気を抜くととんでもないミス、クレームで大変な事になりますよ。」

というお言葉も頂きました。おっしゃる通りだと思います。

でも、運命共同体として、そのお祭りに参加したいと思っていたのは私一人ではなかったハズです。

そして、上場フィーバーが落ち着いて株価も安定したころにやっとこさオーナー持ち株制度が発足されました。でも、必要ありませんよね。上場利益も見込めないし、市場で単位株でもミニ株でもるいとうでも買える訳だし。おいしい部分を全て削ぎ落としてから、欲しい人はどーぞと言われてもなんのメリットもありませんよね。

過激な某オーナーが激怒していました。

やはり、本部にとっては我々オーナー連中はしょせん

奴隷

に過ぎない。

「ばらまく気があるなら、上場前に気持よくよこせよ!」



私を含め、殆どのオーナー連中がそう感じた事でしょう。


結局、地主様(本部)とその家族(社員)だけがいいおもいをしたわけですね。
そして、少なくとも、店は本部の財産ですよね。
店があれば、黙っていても、店が赤字でも、ロイヤリティが入ってくる訳ですから。
自動集金機はまさに夢のような財産でしょう。


本部上場で得たもの。

それは、怒りと失望だけでしたね。

本部にしてみれば、完璧な上場劇でしたね。
まさに、大成功だったのではないでしょうか。

おいしい果実をたっふり手に入れ、自動集金機の操業には問題なし。


余談ですが、以前、第一生命が上場しました。そのときは契約者というだけで株を無償で割当してくれました。上場後、スグに売却して約75万円の利益を手にしました。私は感謝感激して、一生涯第一生命にお世話になる決意をしました。

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本部と保険会社を比較するのは無理があるかもしれませんが、運命共同体としての立ち位置は同じような気がします。あるべき運命共同体の型とは何?と考えさせられました。

当時、未確認情報ですが、ネットで見ました。セブンくんのオーナーさんたちは上場前に株を所有していて、上場とともに莫大な利益を手にしたそうです。しかもある一定期間毎年、無償分割を行っていたので黙っていても財産が増えたそうです。中には株を売却して家を購入したオーナーさんもいたそうです。話し半分いや、10分の一としてもやはり一流と三流の違いをしみじみと感じてしまいます。

やはり、セブンくんは凄いと、驚愕してしまいました。当時からガリバーのセブンくんの絶大なパワーを見せつけられていました。業界では絶対王者だという人が殆どでした。(多分現在も) そして、 悲運にも半径100メートル以内に敵対されたらまず勝ち目はない。または、かなりの苦戦を強いられるだろう。(少なくとも当時の自チェーンにおいては1年持たないで閉店に追いこまれた悲劇を何件も目の当たりにしました。)また、現状で御三家同士の喧嘩も壮絶な様相を呈している。軒を挟んでとか、真隣で潰し合いを演じていますよね。これを見てつくづく大変だと思う。経営されているオーナーさん達はまさに生き地獄だろう。本部同士の代理戦争に巻き込まれて、長時間労働、生活費の困窮、経済的不安定からの借金の増加。その苦難は経験した者にしか理解出来ないだろう。しかし、本部からのなんらかのオーナーのための利益を無条件で提供されたら、日頃の不平不満も多少は緩和されるはずだと思います。スペシャル慰労金とかは期待出来ないものなのでしょか。

しかし、そんなセブンくんが先日ブラック企業大賞を受賞してしまいました。業界のガリバー、リーディングカンパニーであるセブンくんがやばいことに。これは、コンビニ業界全体がブラックだという死刑宣告に等しい。これを契機に業界の自浄作用が働くことを切に願う。



いや、もはや手遅れかもしれない。

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ご訪問ありがとうございました。

posted by Sun9 at 21:35| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月11日

300万円のお願い

ご訪問ありがとうございます。


前回の記事で「自殺」という文字を入力していて、ふと昔の出来事を思い出してしまいました。

今回、「コンビニ再編」のつまらない(?)話より、鮮明に蘇った、よりシリアスな実話をご紹介させて頂きたいと思いました。


時期的に丁度第三話「生き地獄」の頃だったと思います。

店鋪開店当初からのお客様で、年の頃合いは60才代前半でした。

隣にコンビニが出店してきた時に、

「何て非常識な奴らだ。商売道徳のかけらもないのか。オレはそういうやり方は好かん。死んでも行かないよ。
だから、店長もがんばってな。負けるなよ!」

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ご近所らしく、超常連さんのそのお言葉には、何回も励まされました。

そして、たまたま年賀状印刷のご注文を頂いて、仕上がりに不備があり謝罪にお伺いした近所の某会社の倉庫に、その超常連さんがいました。

「こんな近くにいらっしゃったんですね!」

「目と鼻の先だろ? 知らなかった?」

お話によると、勤続20〜30年(確か30年だったと思います)で、もう何年かで定年だとのこと。定年になったら使ってくんない?とか冗談とも本気ともとれるお話をされていました。

いかにも、人柄の良さがにじみ出ていて、背広を上手に着こなして、ダンディズム漂う「いいオヤジ」でした。



「店長さ、オレ、クビになっちゃたよ。社長と喧嘩しちゃってさ。」

「えー、そうなんですか。それは大変でしたね。」

「店長さ、使ってくんない?」

突然の事態と申し出に、かなり驚きましたが、どう考えてみても、人件費節約の生き地獄体現中である私(当店)に人様を雇用できる余裕などある訳がない。全て、正直に真実を語り、自分の置かれた苦境を説明して「雇用出来ない理由」をなんとかご了承して頂きました。


そして、暫くして、明るい顔して超常連さんがやって来ました。

「いやー、この間は悪かったね。実は、社長に頭下げて、なんとかまた使ってもらえるようになった。ちょっと
給料減らされちゃったけどね。」

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「良かったじゃないですか!」

「ああ、一瞬どうなるかと思って焦ったよ、本当に。」



そして、数カ月平穏無事に過ごしていましたが、再びまた悲劇が起きました。

「店長、またやっちゃたよ。また喧嘩して、もう終わりだ。もう、戻れない。」


力なく語る超常連さんの背広のネクタイが乱れ、上着も少しヨレていました。

それから待ち受ける60才半ばの厳し過ぎる人生を象徴しているかのようでした。

それからも、超常連さんの来客頻度は変わりませんでしたが、お買い上げ商品が変わっていきまいた。

以前はお買い上げにならなかった、ワンカップ系の日本酒がラインアップされ、その数が日ごとに増えていきました。そのうちに、ワンカップ以外は買わずに、夕方に来店されて4〜5本購入されていくというパターンになりました。

相変わらず無職で、もう仕事を探すのは諦めたとのことでした。

また、独身故の自由な身であるのも「アルコール依存性」を加速させてしまったのではないかと思われます。
余計なお世話ですが、心配してくれる奥様、子供がいらっしゃったら、また別な日常があったのかもしれませんね。



あの、ダンディーないいオヤジのイメージは完全に消え失せ、眼光はなく、うつろな目で、汚れたズボンと何日も洗濯してないようなアンダーシャツを着ていました。

栄養失調気味なのか、やせ細り、ひげも未手入れで髪もぼさぼさになっていきました。

話す言葉も聞き取れないくらい弱々しく、この先どうなるんだろうかと心配になる程でした。

レジで釣り銭を渡す時に、手が小刻みに震えていました。

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もう、完全に「アル中」オヤジ でした。



「店長、自殺の仕方の本ってなんか売ってる?そんなの売ってると思う?」

いつもと違うきりっとした雰囲気で、酒を買った後に何気なく尋ねられました。

「多分あるんじゃないですかね。うちの店ではないと思いますけど」

「そーなんだ。店長さ、一番確実で楽に死ねる方法って何だと思う?」
「いや、オレは死なないよ、ちょっと気になってさ。」

この時点で、彼の本気度には気が付かなくて、バカな私は語ってしまいました。

「なんだか、一酸化炭素中毒が確実で、苦痛も少ないらしいですよ。」
「ほら、練炭でよく人が事故で死にますよね。苦痛なく眠るように死んでしまうらしいですね。」

「あ、そうなんだ。あの練炭で?どこで手に入るの?教えてくんない?」

急変したその表情から、異様な緊迫感を感じ取り、ヤバいと思いました。

「いや、いや、あくまでも、噂ですから。事実は分かりませんよ。」

このオヤジ、本当に死にたがっている。

そういう雰囲気がリアルに伝わって来ました。

放っておいたら、何かやらかしそうだ。

でも、どうする事も出来ない。

警察に相談するべきだろうか。
いや、区役所のどこかに相談出来る窓口がないだろうか。



それから、数日後、彼がやって来ました。薄ら笑いを浮かべて、切り出しました。

「店長、お願いがあるんだが・・・」

「何でしょうか、私に出来る事なら。」

「300万出すから、オレを殺してくれないか。」

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「えっ、えー?悪いご冗談を!」

「いや、冗談じゃない。もう生きていてもつまんないし。金ならある程度ある。頼むから、自殺に見せかけて殺してくんないかな。300万じゃ少ないか?」

真面目に話しをする彼は、ガチまじモードでした。

「そんなこと、できる訳ないでしょう。それじゃ、私は殺人者になってしまいますよ。」

そんなの、バレないようにいくらでも出来るんじゃないのか。頼むから、何とかならないか、と強くお願いされました。

300万円というお金は確かに魅力的でした。しかし、殺人者になんてなれる訳けないですよね。

彼は、本当に、心身共にかなり病んでしまっていたのだろう。

「ある程度のお金があるなら、海外で余生を過ごすというのもいいらしいですよ。まだまだ、人生これからじゃないですか。真剣に考えてみたらどうですか?」

無言で、出て行く彼の背中は小さく、猫背がより一層悲哀を誘っていた。
もう、生きているのが面倒くさい、という雰囲気が痛々しかった。

その後も、来店の度に、殺人依頼の話しを執拗にしていました。
そして、酒の購入量もかなり増え、10本近く買って行きました。

自殺は怖いし、自らアクションを起こすのは面倒だ。知らない間に、死んでしまいたい。

そのような気持ちだったのだろうか。



ある日のこと、いつものように、大量に酒を買って、店を出て行こうとした彼は、突然入り口近くでしゃがみ込み、身動きが取れなくなりました。

「大丈夫ですか?」

問いかけにも無反応で、うつろな目でポカーンとしていました。

マズい、体に何か異変があったのかもしれない。

すぐさま、119番通報しました。

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救急車が直に到着して、彼は手際よく車内に運ばれ、サイレンの音とともに去って行きました。

そして、それが、今生の別れとなってしまいました。

その後、彼の姿を見ることは二度とありませんでした。そして、また、その後の彼の安否、所在等全てが不明となり、知るすべもありませんでした。

無事に、その後生きているのだろうか。

もし、ご健在なら、もう80才以上だろう。

ご健康である事を願うと同時に、もし仮に天寿を全うされたなら、平穏無事に安らかに幕を閉じるこことができたことを切に願うばかりである。


しかし、こうなる前に、なんとか出来なかったものだろうかと悔いが残った。だが、生き地獄アリ地獄でもがき苦しんでいた自分に人様の人生にクビを突っ込んでいる余裕などなかった。

ある意味、生き地獄脱出失敗となり、契約解除(廃業)→職無し→一家離散→単身→職ナシ→生活苦→自殺or
孤独死 の可能性を認識し、人生の教訓となったのかもしれない。



あんなに紳士的でダンディーな方が失業とともにどんどん劣化していく様子、生き様を見てつくづく感じました。

働けるうちが花なのかもしれない。

生き地獄でも、働ける事に感謝しよう。

家族はやはり、あった方がいいのかもしれない。

そう、妻を、子供達を無条件で大切にしよう。

なんとか、この直面した大ピンチを乗り切ろう。

この生き地獄からなんとしてもはい上がろう。

そして、最期の勝利を信じよう。

勝利の美酒は、高級な赤ワインに決めた。


そして、私は、過酷な死の(死んでもおかしくない)シフトをこなしていきまいた。


結果として、生き地獄から生還できましたが、その後も生き地獄は無情にも繰り返されました。


そして、それから数十年後の最終的な結末はご存知のとおりでございます。





破産





が待っていました。

あの、苦しみは何だったのか。

まるで、喜劇ですよね。今思い出すと。



長期的ビジョンを描けなかった。
目の前の<日常>に慣れて、甘えて、変革の意識を持てなかった。

また、廃業後の自分の価値を充分認識しておくべきだった。

コンビニ廃業=負け組敗者、という一般的な評価。 
そして、これに高齢者というオマケが加われば、完璧な就職難民の仲間入りだ。

30代ならまだ充分市場価値があると思う。
40代だと、やや厳しい場面もあるかも知れない。
そして、なんの特技、資格もない50代は、絶望的だ。(私だけかも知れないが)

60才半ば前で会社(社会)から放り出されてしまった「超常連さん」の気持ちが痛い程理解できる今日この頃の自分がいる。


痛風で禁酒を余儀なくされている自分はアル中になる心配はないが、しらふで現実社会と向き合うのが辛いときは、やはり、酒を飲んでしまう。

やはり、生が一番旨い。缶なら、一番搾りかスーパードライの35缶で充分。
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日本酒は辛口をそのまま冷やでいける。
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ワインだったら断然赤がいい。
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ウイスキーなら山崎で、オンザロックかな。
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焼酎だったら本格の黒糖があればつい深酒してしまう。


禁酒をしていても、やはり酒は完璧には辞められませんよね。
(苦笑)
 


ご訪問ありあがとうございました。
posted by Sun9 at 01:27| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月06日

Flashback 罪と罰(1)

ご訪問ありがとうございます。


自らをリストラして、約2年経過しましたが、相変わらず、コンビニ時代の夢を見てうなされて、深夜に目が覚めて、

「ああ、ホント、夢で良かった!」

と胸を撫で下ろすことが未だにあります。圧倒的にレジ前でぶち切れたお客様の対応、クレーム対応編が多いです。


また、覚醒している時でも、突然過去の出来事がフラッシュバックしてしばし我を忘れる事があります。

「これって、PTSD(心的外傷後ストレス障害)なんじゃね?」

とか思う時もある程、生々しくいろいろな事件を思い出してしまいます。

最近、ふと、ある事件を思い出して、その対応について

「果たして、あれで良かったのか?いや、間違いだったかも。」

と悩まされてしまいます。

ケリをつけたつもりでも、何度も頭に浮かんでしまいます。

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コンビニ経営において、内部不正は避けて通れない試練かもしれない。そして、その対応も、今考えてみて後味がいいもの、悪いものがある。(後味がいいというと語弊があるかも知れないが、そうするのが妥当であり、やむを得なかったんじゃないか、という場合の事をさします)

その、後味の悪かった事件を未だに引きずっている。

コンビニにおいては、特に、金庫にまつわる不正行為は後をたたない。何故か?

1.レジ内と金庫の両替は24時間対応が必要だが、誰がやるのか。
2.金庫の鍵は何処に置き誰が管理するのか。
3.金庫内の両替(銀行へいく)は誰がやるのか。
4.金庫内の現金不足は定時に金庫内確定をしなければ気がつかないが、いつ誰がやるのか。
5.両替をした場合、した人間が必ずその記録を残すようにしているか。
6.防犯ビデオで金種が確認出来る程24時間鮮明に録画しているか。

以上はオーナー、マネージャー(奥様)が常に実行、管理、確認出来れば、何ら問題ない。

しかし、そんなのはまず不可能だろう。時間帯によって、またその日の状況によって、必ずしも完璧に出来ない場合がある。たとえば、夕方19時〜22時は大抵スタッフのみの運営とならざるをえない。また、本部での研修等がありオーナー、マネージャー共に朝から夕方まで不在という場合もある。この、金庫の管理を完璧にこなすのはかなり至難の業と言わざるを得ない。

そして、一般的には、ついついルーズになってしまい、いつのまにか金庫の鍵は常に施錠されていない状態なんていう状況が殆どなのかもしれない。また、金庫の鍵も、決まった所で保管するのが一般的だろう。そして、金庫をターゲーットにした防犯ビデオすら設置してない店鋪もあるだろう。

そして、そのような状況で、事件は起こるべくして起きてしまった。時期的にはマネージャー不在で隣に競争店が現れて数年後の頃だったと思います。


「オーナー、Aがなんか店で新しい現金収入の方法を見つけたとか言って自慢してました。怪しくないですか?」

そう告発してくれたのは、近所に住む元スタッフでした。彼は、高校卒業と同時に家業を継ぐために退職し、ご両親も超常連さんでした。Aは、「先輩!先輩!」とかなりその元スタッフに親近感を抱いていて、ついつい油断して口が滑ったのだろう。

No.15 強盗、万引き、詐欺、内部不正等の犯罪被害 (2.内部不正-追記)で触れましたが、近所の幼稚園児、小学生が成長して、高校生になるとアルバイトとして力を貸してくれる場合があり、殆どの場合はオーナーの味方となってくれると記しましたが、店を辞めてからもこのような形で協力を得られる場合があります。

正直、私は、かなりショックを受けました。Aも近所に住むスタッフの紹介で入った人間で、真面目かつ仕事も普通になんでもこなし、全てにおいて協力的な人間でした。しかし、かなりの確立で、何かやらかしている。私は、単刀直入に彼に聞いてみる事にした。何かの間違いであって欲しいと願いつつ。

「○○君から聞いたんだけど、うちの店で、いい現金収入の方法を見つけたんだって?何それ?」

以外にも、Aは、スグにゲロしました。

何と大胆にも、鍵の掛かっていない金庫から自由に金をパクっていたとのこと。

確かに、金庫内確定をすると、いつも規定額より少なかった。また、超多忙のため、金庫内確定も不定期で、金庫も施錠せずに誰でも24時間両替できる状態にして、放置してしまっていた。

だからと言って、お金をパクっていいはずがないだろう。金を盗むヤツが一方的に悪い。
そう言えば、直近で出た巨額の棚卸しロスの原因も、こいつが商品を大量にパクってたんじゃないのか?
この件についても問いただしてみた。

「もう、何を言っても信用してもらえないから、何も言わない。」

こいつ、犯罪者のくせに、このナメた態度は何だ?その態度とセリフが私の平常心を奪った。

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激怒した私は、まずAの親(母親)に電話で全てを告げました。シフトの件で何回も電話していたので、母親の声は知っていましたが、完全に動揺していた様子で、数分の沈黙がありました。さらに一方的に続けました。

「今回の犯罪行為で当店は多大な被害を被りました。少なくとも、20万円の被害は息子さんが原因です。息子さんは完全な前科一犯です。この20万円を弁償してもらえませんか?」

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何を根拠に20万という数字がはじき出されたのか、どうしても思い出せませんが、キッパリと言いました。

「その代り、本部にも、警察にも、学校にも一切連絡しません。20万円で示談にしましょう。」


その後、本人と父親、母親が店に直接謝罪に来て、20万円を置いて、示談書に署名しました。その間、彼は、謝罪する訳でもなく、一人で店内で立ち読みをしていました。本当に不遜なヤツだった。

反省の色、全くなし。こいつ、完全にいかれている、と思いました。親も救われないな、と思いました。こんな、不良息子とこれから先、どうやって一緒に生きて行くのだろうか?

「まぁ、オレの知ったこっちゃない。不作な息子を呪えばいい。」
「20万で多少なりともロス部分を回収出来ただけでもラッキーだったじゃないか」


当時、血気盛んな30代の私は、この内部不正に対して完璧な解決をしたと思っていました。当時は別に違和感など微塵も感じてなかった。むしろ、天罰だろ、と思っていた。

しかし、年の経過とともに時として、自問自答する自分がいた。

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「親から罰金はマズかったんじゃないのか?いや、当然の結末だろ。何か問題あるのか?」
「なぜ、すぐに警察沙汰にしなかった?本部に連絡しなかったんだろうか?」
「管理体制の甘さ、不備があり、自分にも責めに帰す部分があるのではないか。一方的にヤツを責めるのはおかしくなかったか?」
「金をパクられたオレが、今度は恐喝かよ。オレも犯罪者じゃないのか?」
「何を根拠に、20万円なんだ?Aに確定的な証拠があったのか?結局、相手の弱みに付込んだ恐喝だろ?」
「未成年者の不始末は、親がケツを拭いて当然だ。最後まで事の真相を話さなかったヤツが悪い」
「金庫から盗んだのは事実だか、棚卸しロスの責任を問うのは無理があったんじゃないのか?」


特に、子供が成長して、Aと同じ位の年になったとき、私は動揺した。店に謝罪に来た時のご両親の憔悴しきった顔を今でも、ハッキリと明確に覚えている。まさに、青天の霹靂だったに違いない。

終始ほぼ無言で、悲しくうつむく母親。弱々しく力なく謝罪し、頭を垂れる父親。結局、終始ふてくされ状態で
売場で立ち読みをしていたバカ息子。

果たして、親の彼らに罪はあったのだろうか?

多分、自宅において幾度となく修羅場を迎えただろう。いや、そんなものはなかったのかもしれない。多感な年頃の子供を持つ親の苦労は痛い程理解できる。ましてや、自分の子供が犯罪を犯したなんて考えたくもないし、信じたくもない。その後も毎日顔を合わせなければならないし、その後の対応にも気まずいものがあったろう。

でも、悪は悪。罪は罪。罪は罰によって裁かれる。
また、未成年者の親としての責任は問われて当然だろう。


しかし、だからと言って、20万円はやはり、やり過ぎだろう。
若気の至り、一時的な私の激情で、Aの平穏な家庭を破壊してしまったんじゃないのか?
何か、別の方法があったのではないか?
その後の想定される悲惨な家族関係を理解できなかったのか?


いや、もし、自分が同じ立場だったら、黙って20万円払って示談にするだろう。


わからねー。


自問自答は不意打ちのごとく突然頭に蘇り、そして、断続的に当分続きました。

そして、時間の経過と共に、自責の念にかられ、後悔の気持ちが支配的となり、ある意味、自己嫌悪に陥りました。

ガキはどうでもいい。親の悲しい顔を見たくなかった。確たる証拠もなく親を巻き込んだのは間違いだった。
結局、親に因縁をつけて、20万円脅し取ったのに等しい。その事実は限りなく犯罪であり、その記憶はもう消せない。

しかし、その気持ちも、時の経過とともに風化し、いつの間にか記憶の外に追いやられて行きました。


しかし、私は、その後Aとの再会を突然果たす機会を得ました。もう、40代後半の頃だ。その事件も記憶から完全に消えていた時だった。


本部からお取り潰しの命を受け、埼玉の店鋪に移転する際に、閉店一週間位前から深夜営業がなくなりました。当然、私が泊まり込んで、店番をした訳ですが、当時の昼間のパートさん達が主体となって、連日店内でお別れ飲み会が行われました。半額処分される酒類を大判振る舞いしました。

「ダダで飲みたい放題だ、バカヤロー!」
「思う存分、飲んでくださーい!」

宴会は毎晩朝方まで続きました。そして、歴代のバイト連中が集結して、労をねぎらってくれました。20年近く、そこで営業していました。かなりの数の歴代スタッフ達が連日、日替わりでやって来て、昔話に盛り上がりました。スタッフとして活躍してくれた近所の子供達も、立派に成人して、元気な顔を見せてくれました。感謝の気持ちと惜別の思いに感無量でした。そして、そんなある日、Aが元スタッフを通じて挨拶がしたいと、すぐそこまで来ているという話しを聞き、反射的に、「OK」してしまいました。


「オーナー、その節は本当に、御迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」
「いや、オレも、少々、ヤリ過ぎた。若気の至りだった。今、本当に反省し、後悔している。」

(何、オレが謝ってるの?)と思いつつも、酔いが本音の部分をさらけ出させたのかもしれない。

「いや、いや、いや、オーナー、そんなこと言わないで下さいよ。悪いのは自分なんですから。」
「いや、オレも、正直、胸につかえてたんだ。あとで、なんだかやり過ぎたかなみたいな感じで。でも、今日会えて、自分の気持ちを伝えられてなんだかホッとしたかな。」

「オーナー、じゃ、これで、もう全て、忘れましょう、お互いに。」
「そうだな、じゃ、そうしようか。」

Aは20代半ば過ぎの立派な青年となり、自分の人生の目標を叶えるために真面目に働き、そして修行の日々を有意義に過ごしているとの事。

私の、彼の不正行為に対する行動は、今でも疑問が残る。いや、間違っていた、と思う。それは、また、彼も同じようにずっと引きずって生きて来たのだろう。

お互いに本音で語り合い、私は少なからずの気休めにはなった。
正直、これで、手打ちにしたいと思った。


普通に彼と乾杯して、今後の彼の成功を願った。

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しかし、時として、未だに、彼の母親の悲しい顔がフラッシュバックしてしまう。


宴会最終日には、家内と、娘二人(中学生と小学生)も参加して大いに盛り上がり、私の最後の言葉で幕を閉じた。


「私の身勝手により、(実は本部の都合)現スタッフの皆様には多大なご迷惑をおかけする事を許して頂きたい。皆様の職を一方的に奪って、自分一人だけ逃げて、生き延びて、生き恥をさらすようなことになってしまったが、本当に許して頂きたいと思う。皆様の無念を心に刻んで、死ぬ気で、マジ頑張ります。長い間、本当にお疲れさま、そして、今まで、当店の力となって頂き、本当にありがとうございました!」

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みたいなことを言って、最後の宴会は終了しました。


そして、それから、約7年後に、職を失い、破綻しました。

一人生き延びた天罰、自業自得だったのでしょうか。

恐喝のバチが当たったのでしょうか。


ご訪問ありがとうございました。

posted by Sun9 at 00:37| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月13日

Flashback 罪と罰(2)

ご訪問ありがとうございます。


前回の話しでは、内部不正の対応に多少(かなり?)の迷走部分があったことは否めない。今回は、同じような事件がまた発生してしまい、全く別の方法で対処した件をお話します。時期は、前回Aの事件の後、移転する2〜3年前位だったと思います。

今回の主人公のスタッフは当時高校1or2年生で、店の直ぐ裏の住人で、5人家族の長男でした。それこそ幼稚園児のころから彼の事は知っていました。ご夫婦も気さくな方達で、本人も含めて兄弟姉妹もいいお客様でした。
No.15 強盗、万引き、詐欺、内部不正等の犯罪被害 (2.内部不正-追記)でも触れましたが、近所の幼稚園児、小学生が成長して、高校生になるとアルバイトとして力を貸してくれる場合があり、殆どの場合はオーナーの味方となってくれたが、一人だけやらかしたのがいました、と語りましたが、実は彼がその例外の人物でした。

まるっきりの見ず知らずの他人ではないために、難しい判断を迫られる。まして、近所の子供の頃から知っていた人間であれば、なおさらだ。そして、超常連さんとなっているご家族とも当然顔見知りであり、良好な関係を築いていれば、さらに事態を複雑にしてしまう。


しかし、本人は、そんな事はおかまい無しで、不正をやらかしてくれた。

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高校生の彼は、夕方の時間帯、17時〜22時のシフトに入っていました。もちろん、信頼して、レジの両替を任せていました。しかし、時として、千円単位で金庫内が合わない時がしばしばありました。不足のあった日の点検レシートを全て保管していたので、ふと、ある事実に気がつきました。金庫内不足が出ている日に、必ず「彼」がいるではないか。

「まさか、さすがに、それはないだろう。彼がそんな事をする筈がない。」

根拠のない信頼感が疑惑へと変化し、そして犯人への確信と変わるのにそう時間はかからなかった。またしても、彼の時間帯で金庫内が高額紙幣分合わない。信じたくはなかったが、確信があった。防犯ビデオに釘付けになり、入念にレジ前と、バックルームの金庫を録画してある部分を何回も見た。

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そして、決定的瞬間を発見してしまった。

4〜5時間の空しい作業は、確実な証拠を手に入れて終了した。

手口としては、単純だが、大胆だった。まず、自分は疑われないと思っていたのだろう。

両替するために、レジからお金を取り出し、バックルームに入り、金庫に着く前にポケットに入れる。そして、レジから持ち出した分だけ金庫から持ち出して、レジに戻す。


レジから紙幣を取り出したはずなのに、金庫前では手ぶら状態で金庫の引き出しを開けていた。拡大して見れば、手に何も持っていないのは一目瞭然だった。

正直、怒りより悲しみの方が大きかった。

こうも簡単に、人の信用を裏切り、人様のお金を盗めるものなのだろうか?

この子のご両親、ご家族とどう接すればいいのだろうか?

やはり、親には知らせた方がいいのだろうか。自営業の父親はまさか自分の子供が金を盗んだなんで信じられないだろう。母親も、錯乱状態に陥るかもしれない。兄弟姉妹にバレたら、それこそ一生白い目で見られるかもしれない。

とにかく、本人には話すしかない。

嫌な、仕事だ。


後日、たまたま買い物に来た彼をバックルームに呼んで、静かに話した。

「ちょっと、見てもらいたいものがあるんだけど、いい?」

ニヤついて少し紅潮していた彼は、黙ってうなずいた。

「これ、なんだけど、なんだか分かる?」

例の犯行部分の一部始終を見せた。私は、スグに謝罪の言葉を予想した。しかし、彼から思わぬ言葉が飛び出した。

「なんすか、これ。」

私は、耳を疑った。こいつ、認めるどころか、知らぬ存ぜぬを押し通す気だ。もう一度、ビデオを確認しながら見せた。

「レジから、万札持って行ってるよな?見えるだろ?」
「はあ」
「認めるな?」
「はい」

「じゃ、ここで、その万札ないだろ?どこいっちゃたんだろうね。ほら、手に持ってないだろ。金庫に入れてないよな。」
「いや、ちゃんと入れてます!」

こいつは、罪を認めないつもりだ。ふてぶてしいガキだ。誰が見ても、明白だ。画面を拡大して、スローで見せてやった。

「何処に万札がある?教えてくれよ。」

「明らかに、何も持ってないだろ?」

「・・・・・」

茫然自失とはまさにこの事だろう。いきなり、決定的証拠を見せつけられて、ぐうの音も出ない。私は、静かに背中を押してやった。


「どうして、こんなことしたんだ?」
「君のご家族が知ったら、本当に悲しむぞ。」

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「すいません・・・でした。」

さすがに観念して、全てを話しました。


親が、数ヶ月前に離婚して、彼と父親は裏の家に住んでいるが、兄弟姉妹と母親は別の所に暮らしているとの事。父親の仕事が不調で、金欠気味で、自分の生活費が足りなくても父親には言えずに、つい目の前の現金に手が出てしまったとのこと。

そう言われてみれば、彼の母親と、その兄弟姉妹をここ最近ずーと見かけていない事実に気がついた。

だからと言って、許される訳がない。

もちろん盗んだお金は全額返してもらう。そして、親に話して、とことん再教育してもらううのが筋だろう。取りあえず、

「後日、処分を下すから、○○日後に来てくれ。」


そう、告げて、追い返した。


「二度とオレの前にその顔見せるな。店は永久出入り禁止とする。盗んだ金は、給料から天引きで、残金があれば今払う。万が一、約束を破って店に来たら、父親に今回の犯罪行為を全て話す。警察にも話す。選択の余地なんてないよな。じゃ、ここに、今の内容を手書きで書いて、サインしてくれ。」

書類を書き上げて、彼は、謝罪の言葉を残して静かに去って行きました。

やはり、親に話すのは辞めました。

父親に話しをすれば、少なからず、ヤツの家庭を破壊してしまうだろう。未成年者のケツは親が拭いて当然なんだろうが、今回の事件で父親との断絶もありうる。母親はもっと悲しむだろう。自分の責任だと思い込んでしまうだろう。親の離婚で、もう既に破壊されている家庭をこれ以上破壊してしまうのはなんとも後味悪い。

自ら猛省して、今後の生きる教訓となれば、それでいいのではないか。

確かに、甘い処分かもしれない。
私の処分は間違っていたのかもしれない。
犯罪者に対する社会の現実の厳しさを知るべきだったのかもしれない。

しかし、同じ親としたら、身内の、しかも我が子の犯罪など知りたくもないし、信じたくもない。成年後の犯罪であれば、かなり自己責任の部分もあり、親としても悲しい気持ちには変わりないが、諦めもつくだろう。

少年法の適用で少年が人さまを殺めても、その罪は限定的だ。

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ましてや、パクリ行為なんて屁みたいな罪なのかもしれない。だから、大目に見たと言う訳ではないが、良い事、悪い事を身をもって体験して、今回の不正行為を猛省し今後の自らずからの行動を律するきっかけとなれば、それで十分なのではないか。

私の独りよがりの親のエゴが派生したのかもしれない。

また、本人も充分反省しているだろう。時間の経過とともに「バカな事をしてしまった」と心に長期間残っていくことだろう。前話のAも、当初は誠意ある反省の弁もなく、あきれ果てる程の非常識ぶりを露呈していた。しかし、忘れた頃に、わざわざ謝罪しに顔を出してくれた。やはり彼も、時間の経過とともに悩んだのだろう。

そして、また、こんなことも思い出してしまいました。


いつ頃の話しなのか、思い出せません。都内での店舗の話しです。かなり、稀な体験をしました。

ふと気がつくと、懐かしい元スタッフがレジ前にいた。辞めて、3〜4年は経過していたと思う。


「オーナー、本当に申し訳ありませんでした。これ・・・」

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不用意に差し出された 1万円札 を見て、すぐピンと来ました。

「ずっと、気にしてたの?」

苦笑いしつつも、はっきりと、

「はい。ついやってしまいました。本当にすいませんでした。」

そう言い残して、彼は足早に店を後にしました。そして、どことなく晴れ晴れとした表情が印象的だった。

彼は、高校時代のシフト中にレジから一万円を盗んだのだろう。それが時間の経過とともに、己を許せなくなり、ついにはその罪を精算したくて以上のようなアクションを起こしたのだろう。

話しが逸れますが、一万円近くのレジ不足は、しばしば発生する。殆どが、千円、5千円札と万札との見間違いだ。これは痛い。差額分のお金を差し上げて、無料で商品をお持ち帰り頂くというダブルロスだ。もちろん、スタッフに弁済させられない。労基法に抵触するからだ。このリスク、被害も全てオーナーが一人で被ることになる。ブラック店舗では、その時間帯で入った人間が連帯責任で全額弁償とか、レジ担当者が特定されている場合は、不足分は給料天引きです、なんていう処理もおかまい無しで横行している。共同責任を押し付けられたら、シフト時間帯で一万円近くの不足が出た場合、当日のギャラが殆どパーになってしまう。

「じゃ、現金過剰の場合は、その差額分はもらえるのかよ?」

と考えても不思議ではない。そして、不満が蓄積されると現金過剰を自作自演して、レジから平然とお金を抜いて行く。レジは多少の経費がかかっても、スーパーみたいに自動レジにするべきかも知れませんね。本来、本部負担でそうするべきだと思いますが、現実は全てオーナー負担らしいです。


実は彼は、某俳優養成所の研究生で、トップクラスに在籍していた。なんと、私が血迷って入所した養成所(第4話 無限地獄の始まり編で詳細)と同じところだったのだ。そして、限られたわずかな優秀な研究生しか在籍出来ない最上特別クラスにいたのです。実際、某有名女優の子役として、刑事物のドラマに出演した彼をテレビで見ました。

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高校生の割に礼儀正しく、言葉遣いもまさに完璧で社会人を経験した人間と殆ど変わらず、もちろん仕事も人並み以上にこなしてくれました。当然、私も一目置いていました。

そんな、超優等生な彼が、レジから金を抜き取っていたなんて、本当に驚きました。しかも、それをかなり時間が経過して返却しに来るなんて、2度びっくりでした。


私は、その後、埼玉に移転した後は、高校生の採用を辞めました。もちろん、高校生でもキチンと仕事ができる人が殆どですが、現金の事故は圧倒的に高校生が多かったです。

しかし、現状の雇用状況は悲惨極まりないものがあるようです。ほぼ最低時給に近い時給では、その高校生ですら集まらない。しかも、セブンのブラック大賞受賞後の業界イメージダウンで敬遠されがちだという。時給の割に覚える事が多すぎで、アホらしい、キレる変な客が来る等マイナスイメージのオンパレード状態だという。

やはり、外堀は埋まりつつあるのか。

貴重な人材が集まらない、育たない。

崩壊へのカウントダウンは、静かに、そして、確実に進んでいる。

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そして、ヤツはその後の閉店の宴会には当然顔を出さなかった。健気に約束を守っていたのだろう。


この事件を思い出して、前回登場のAに対しても、同様な処置、処分が適切ではなかったのかと思う今日この頃です。

やはり、血気盛んな30代ではそこまでは冷静に判断出来なかったのだろう。

「犯罪者の家庭環境がどうなろうと、そんなの心配してられるか。甘えるんじゃないよ。罪を憎んで、人も憎む。これ、普通じゃないの?こっちは被害者なんだからさ。」

と考えていたかは不明ですが、それに近い精神状態だった事は否定出来ません。

埼玉に移転した後も、内部不正はありましたが、基本的には、本部への報告、反省文の提出、店鋪への出入り禁止、不正行為の弁済、シフト即日解除後、後日解雇という処分で対応しました。

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警察、親への連絡は、よほど悪質であると判断した場合に、そうしようと考えていましたが、オーナー職を返上するまでには、その事例は一件もありませんでした。


ご訪問ありがとうございました。
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2016年04月23日

Flashback 戦力外通知

ご訪問ありがとうございます。

本日のストーリーも、時としてフラッシュバックし、やるせない気持ちにさせられる。




「そちらで、○○、日本名△△という人働いてました?」

「はい、確かに以前に働いていました。確か○○年位前だったと思います。」

「そうですか。実は、近くの道端で倒れていて、亡くなっていたんですよ。身よりもなく、住所もわからなくて。ただ、財布の中に、おたくの連絡先があったので・・・」

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「えっ、そうなんですか。それって、のたれ死にってことですか?」

「そうかもしれないね。」


私は愕然とした。

元店長の悲惨な結末を聞いて、複雑な気持ちになった。

時期的には、店の状況が好調な時だった。

比較的近所に住むPという20才位の成年を雇い入れた。

「自分のおじいちゃんは北朝鮮出身で、僕は在日3世になります。もちろん、生まれた時から日本にいるので、
日本語しかしゃべれません。日本名は○○ですが、今は、本名のPを名乗ってます。」

確か、不鮮明ですが以上のような内容の話しをした記憶があります。

彼は、頭がキレたのか、仕事を覚えるのが異様に早かった。また、仕事に対する姿勢も完璧で、ヤル気も十分感じられた。また、周囲のスタッフからも絶大な信用と信頼があった。

そして、私は、躊躇なく彼に<店長職>を打診した。


「オーナー、そのお話、有り難く引き受けさせてもらいます。」
「だだし、一つ、お願いがあります。」

そのお願いが、また想定外の衝撃的な内容だった。

「オーナー、多分もうお気づきかと思いますが、私以外の夕方、深夜の連中は全員パクリ行為をしています。
自分が、一人づつ話をして、絶対にパクリを辞めさせますので、総入れ替えは勘弁して下さい。」
「今回に限り、私に免じて、どうか許してやってください。お願いします。」

確かに、当時棚卸しロスが多かった。売価で、100万円以上という不名誉な記録を打ち立てたのも当時だったような気がする。正直、私はまさか昼間のパートさん以外、全てのスタッフが内部不正に染まっていたとは気がつかなかった。いや、原因はそれ以外考えられなかったのに、真剣に原因究明を怠っていたに過ぎない。

しかし、マジ胸くそわるかった。

気持ち的には、総入れ替えをしたい衝動にかられたが、いきなり大人数処分したら店が回らなくなってしまう。ここは、Pの手腕に頼るしかないだろう、と決断せざるをえなかった。

「信じたくないが、そうだったのか。じゃ、内部改革に取組んでくれ。よろしく頼む。」

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その後、Pは見事に結果を出した。棚卸しロスは確実に減り、パクる輩もいなくなったという報告を得た。

そして、彼は、以前にも増して仕事に没頭してくれた。特に、不正の温床となりやすい店舗内外、バックルームのクリンネスにこだわっていた。また、夕方シフトのスタッフの顔を見てから帰宅するという日もあった。彼の深夜シフトの時間帯22時〜8時を終えても、店に残留して、自らサービス残業をしていた。

「自分のシフトに影響するから、早く帰って寝てくれ。」

何度、同じ事を言ったことか。そして、遂に、杞憂が現実となる。

次第に遅刻がちになり、日ごとに遅刻癖が悪化していった。

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まともにシフトインする日がなくなり、必ず遅刻をする。ひどい時は、2時間以上も遅れる。夕方勤務の高校生も22時以降は働けない。やむを得ず、相方のワンオペにならざるを得ない。

「オーナー、店長何とかして下さいよ、もう限界ですよ、みんな。」

ぶち切れ気味でそう言うスタッフの気持ちもよく分かる。22時から1時までは、そこそこお客様がやって来る。
それを一人でやらされたら、たまったもんじゃない。

私は、何度も厳重に注意したが、遂にXデーが来てしまった。


某日の深夜、彼は遂に無断欠勤してしまった。そして、替わりに私が出るハメになってしまった。

これ以上、もう彼をフォローできない。他のスタッフの手前もあり、彼だけ、大目に見る訳にはいかなかった。
毎日、必ず遅刻してくるPに対して、ドタキャンは想定内の出来事だったが、もはや、彼を弁護する者、彼の味方は皆無だったのは想定外だった。

当然かもしれない。仕事が出来ても、基本的な出退勤が出来ずに、周囲に迷惑かけ放題では、愛想をつかされるのも当然の成り行きだろう。

そのドタキャン後に、彼を目の前に置いて静かに、語った。

「もうこれ以上、君をフォローできなくなってしまった。他のスタッフが、遅刻、ドタキャンしても、注意出来なくなってしまっている。周囲ももう限界に達している。君には、充分すぎる程チャンスを与えて来たが、もうかなり厳しい選択を迫られている。」

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「それって、もしかして、オレ、クビってことですか?」

「残念だが、やむを得ない。」

かれは、トレードマークの長い皮のトレンチコートを無表情に着込んで、静かに、無言で出て行った。


本当に、残念だが、仕方なかった。

厳しく、何回も切実に注意した。お願いした。でも、彼には改善できなかった。店長だけ、大目に見るのも限界があった。泣く泣く、下した決断だが、悔いが残った。あれだけ店のために尽くした人間をこんな簡単に切ってしまっていいのだろうか、という躊躇の念と、時間を守れないルーズな人間は、店の秩序のためにも粛正しなければいけないという義務感との葛藤に陥り、私もかなり悩んだ。

Pには、幾度となく充分にチャンスを与えた。それを活かせなかったPの責任はやはり重大だ。仮にも、店長だ。店長が慢性的に遅刻をして、ついにドタキャンをした。多分、ドタキャンも常習化するだろう。

やはり、諦めるしかないと決断しました。


Pは近くに住んでいたが、その後、引っ越しをしたのだろうか。父親と二人暮らしだった筈だが、一人きりになってしまったのだろうか。もはや、ホームレス状態だったという事か。

警察から連絡があったとき、「えっ、そんな遠くで?」と感じた記憶がある。彼は、確か、外国人登録証なるものを持っていて、いきなり職質される事があると言っていた。国に目を付けられてるんですよ、と言っていたが、それすら、所持していなかったのだろうか。

そして、当店の連絡先は後生大事に財布の中にしまっていたという。

韓国大使館に相談できなかったのだろうか。生活保護とか行政に助けを求めなかったのか。

なぜ、私に連絡するなり、顔を見せるなりしなかったのか。
迷惑をかけたくないと思ったのか。

いや、無一文で、それすら不可能だったのかもしれない。

天涯孤独となってしまって、腹を空かせて、一夜を明かす事すらままならない時もあったに違いない。
不安と絶望で発狂してもおかしくない。

自殺の二文字も頭によぎっても不思議ではないだろう。

彼は、何を思って行き倒れて、何を感じて死んで行ったのだろうか。

もはや、考える気力もなく、感じる意識もなかったのか。



ほんの一本の電話でもくれたら、なんらかの力になれたかもしれない。

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電話番号が分かっていながら、なぜ連絡出来なかったのか。しなかったのか。

それほど、彼への戦力外通知は彼にとっては苦痛であり、屈辱であり、精神的ダメージを与えてしまっていたということか。


ふと、いまだに思い出して考えてしまう。

やはり、クビは間違っていたのか。

一定期間の休職、シフト時間帯のコンバートで対応できたのではないか。
彼の話しをもっとよく聞くべきではなかったのか。

考えたくはないが、戦力外通知が彼の寿命を縮めてしまったんじゃないのか。


何かしら、力になれたのではないかと、本当に悔やまれて仕方ない。


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今は、静かに、元店長P君の冥福を祈るしかない。

posted by Sun9 at 12:51| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月03日

想定外出費と恒例の恐喝

ご訪問ありがとうございます。

コンビニをやっているといろんな出費がある。

間接的にお客様獲得の一環としての効果がない訳ではないが、あまり効果が期待出来ない出費もある。


町会費は、その地域で営業している以上、拒否できないだろう。大体3〜5,000円位だ。しかし、お祭りシーズンになると、特別に寄付金の依頼がある。

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これがバカにならなかった。埼玉の店舗では、初代オーナーが1万円を奮発してしまったお陰で、その金額を直営店が引き継ぎ、私もその金額で継承された。ほぼ、強制徴収の感があった。当初は、それなりに多少のメリットがあったが、近隣に競争店が乱立すると、そのメリットもゼロとなってしまった。ただ、この町会費は、本部で認められた経費で、レジから出金できたので多少は救われた。


続いて、地元の少年(少女)のスポーツ団体による協賛金の協力を依頼されることがある。複数のサッカーの団体に寄付をしていた。

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団体の方が見えて、

「○○のLさん、△△のSさんにもご協力頂いてるんですけど〜、」

とか切り出されたら、断わりにくい。地元で、

「あそこのコンビニは5000円の協賛金すら払ってもらえなかった。んなケチなコンビニには行かないように!」

みたいな悪評判が近隣で広まったら一番怖い。


お礼として、サッカー団発行の某小冊子の余白に店舗の広告を載せる事が出来た。

青少年のスポーツへの取り組みは、大賛成であり、可能な限りスポンサーになりたいとは思う。これも、一度協力すれば、次回も協力せざるを得ない。金額的には5000円位で、そんな大金でもない。しかし、売上の調子のいい時は別に問題ないが、売上が下降気味になると少なからずの負担となってくる。また、この資金源の噂を聞きつけた、他の団体も果敢にアタックしてくる。さすがに、地元と言いにくい地域の団体は丁重にお断りはしたが、その線引きはかなり難しい。また、本部に認められない場合は、そっくり持ち出しとなる。



住宅立地で長年経営していれば、当然近隣のお客様とは懇意になる。それこそ、家族構成まで知り尽くしてしまっている場合もあり得る。そうなると、必然的に避けて通れない冠婚葬祭に参加せざるを得ない状況も多々ある。特に、不幸があった場合は、やはり無視はできない。お世話にになったお客様のご不幸には、真摯に対応しなければならないだろう。お通夜、本葬がシフト的に無理なら、後で深夜明けでお線香をあげに行く事になる。この場合は、やはり1万円を包んだ。

また、ご近所で子供の頃からの顔見知りで、当店スタッフとして働いてくれた娘さんの結婚式に夫婦で招待された事も数回あった。喜ばしい事ではあるが、出席時間を工面するのが、非常に大変だった。また、夫婦での出席となれば、それなりのお祝い金も必要となる。

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また、隣の住人から、家を立て替える際の建前の儀式に招待されたこともあった。セレモニーに出費はつきものですが、立て続けに続いた場合は、かなりの出費を覚悟しなければならない。

以上も、本部では認められない出費(レジから出せない出費)だったと思う。全て、家計からの持ち出しとなる。

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近所の新聞屋さんのスタッフも、新規開拓で大変なのだろう。

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そのスタッフが超常連さんの場合は、1か月でもと契約を泣きつかれたら、断わりづらい。万が一、契約してしまった場合は、店頭で他の新聞と一緒に売場に出してしまえばいい。また、本部に話して、現金仕入として認めてもらえれば、レジから支払い出来るのでその線で新聞屋に交渉して、継続的に取引すればいい。そうすれば、ウザい勧誘から開放されはするが、書類上、伝票上、面倒な仕事が増えてしまう事になる。



某団体から、正月用のしめ縄とか門松とかをかなりの高額で買ってくれという依頼があるらしい。

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これは、体験してないが、地方では良くあることらしい。対策としては、即断即決は避けて、直営店を装い、本部に相談する旨の回答で逃げるのが賢明だとのこと。一部オーナー店でも、オーナーを店長と呼ばせている所は、やはり逃げ道を確保している為だろう。でも、外見上、どうみても怖い人だったら、対応に困りますよね。



これは、毎年の定期定例イベントだった。都内では経験しなかったが、埼玉にリロケートして、ぶったまげた。

車の免許の書き換えで必ず体験する、交通安全協会の寄付金のお願い。殆どのドライバーが、善意で寄付をされていると思う。

しかし、この寄付金を金額指定で店舗に集金に来られたら、そのリアクションに戸惑うだろう。しかも、近隣の商業店舗の集金の際に発行した金額が見える領収書の控えの一部を見せられたら、妙なプレッシャーを感じてしまわないか。

「○○警察だけどー、皆さんに協力してもらってるんだけどねー、」

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と切り出されて、例の領収証の束を見せられたら、もう逃げられない。

もちろん、寄付金5000円を交通遺児、その他の交通安全のために使われるのであれば、喜んで寄付しよう。


しかし、そのアプローチがえげつない。横柄で、命令口調的に感じた。


「おめーら、うちの領内で商売してんなら、当然、この位は気持ちよく出せや!」
「ケチるんじゃねーよ。いつも、見回りに来てやってんだろ?有り難く思えっつの。」


というオーラを感じてしまうのは、自分だけだったのだろうか。


「これって、カツアゲじゃね?」


不謹慎だが、そう感じてしまった。(笑)


しかも、これは、本部が認めてない出費だったので、完全に家計からの出費となった。

毎年、不愉快になるイベントだった。



コンビニ経営は、直接的な店舗営業費以外にも、時として、想定外の出費がかさむ事がある。
また、不愉快な定期定例の出費みたいなものにもお付き合いしなければならない。

店舗営業必要経費として認められるものはいいが、そうでない場合は、少ない利益配分から工面しなければならない。

売り上げが低迷している場合は、大げさかも知れないが、生活苦に直結してしまう。

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ご訪問ありがとうございました。

posted by Sun9 at 21:54| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月11日

110番119番通報

ご訪問ありがとうございます。


「事件ですか、事故ですか?」

繋がると受話器の先で、早口で尋ねて来る。

緊迫した口調に飲み込まれて、たびたび二の句が出てこないときがある。

「あの、その、えーと・・・○○のコンビニです。」

的外れの返答で、恥ずかしい思いをしたことも何回もある。


幾度となく遭遇した状況だが、コンビニに在職中は、色々と110番、119番通報にお世話になった。

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日常の生活では、あまり縁のない110番、119番だが、必然的に、またはお客様の身の安全、利便のためにやむを得ず連絡するという場合がしばしばあった。


私が体験した、記憶に残るケースをお話します。

=119番編=

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1. 埼玉の店舗での話です。深夜2時から3時頃だったと思う。店内はもう静寂に包まれていた。入店のチャイムに反応して、店舗入り口を見ると、女性のタクシードライバーに付き添われて年配の女性(70歳代)がよろよろ入って来た。

「いらっしゃいませー!」

えっ、なに? どういうこと?

付き添いのドライバーさんは、その年配の女性(俗にいえばおばあちゃん)を後ろから店内に押し込むと、逃げるように小走りで暗闇に消えていってしまった。


まさか置き去りの刑かよ。


「あの、どうかされましたか? 何かお困りですか?」

さりげなく、近づいて聞いてみた。なにかぶつぶつ言っているが、意味不明。数分の会話で、やっと理解できたセンテンスがあった。

「あのね、わたし、具合悪いの。病気なの。救急車直ぐに呼んでよ!」

なんだか、様子が少しおかしい。

まさか、認知の方が徘徊途中でタクシーを拾って、ドライバーも困り果てて近くのコンビニに置いていったということか。こんな深夜に、ご老人一人で、コンビニを指定してタクシーを拾う訳がないだろう。

ワンオペ状態で、このご老人の面倒は見れない。ご希望通り、すぐに119番通報した。


「いま、救急車呼びましたので、少々お待ちください。」


店内のイートインをご案内したが、

「外で待っているからいいよ。」

ヨタヨタゆっくり出口に向かって歩いていきまいた。

危険だな。敷地内で転んで怪我でもされたら大変な事になる。

私は、イートインのイスを店舗外側のスイングドア左側、目の届く範囲に置いて、そこに座って待つようにお願いした。

確かに、異様な光景ではあった。深夜の店頭に老婆が身動きもせず、イートインのイスに座り、じっと前方を凝視している。蠟人形かよ、と思う位動かない。


「外のおばあちゃん、どうしたの?」


数人のお客様に聞かれたが、返答に困った。タクシードライバーが置き去りにしていって、困っているんですよ
・・・なんて言えないので、

「気分が悪くなり、今救急車待っている所なんです。」


それから暫くして、老婆は無事に救急車に乗せられて、店を後にしました。

2. 「300万円のお願い」編でお話したケース。店舗内でしゃがみ込み、会話も出来ず、身動きも出来なくなってしまったお客様。生命の危険を感じ、スグに救急車を呼びました。

3. しばしば、お客様から、

「そこの道で人が倒れているよ。すぐに救急車呼んだ方がいいんじゃない?」

そう思ったら、自分で連絡してもらえませんか? とも言えないので、状況確認をしてから、119番連絡しました。これも、無視放置してなんらかの責任問題に発展したら、大変な事になると思い、なるべく早く行動しました。

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=110番編=

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1.これは、都内の店舗での出来事でした。深夜の時間帯、確か2時頃だったような記憶がある。滞留時間の長い20代後半の女性の存在に気がつく。その後も、店内を徘徊し、数時間の時間が経過した。

万引き狙いか? 

それにしては、滞留時間が長過ぎる。防犯ビデオで追跡しても、パクる素振りは見せない。私の存在は、完全無視状態だ。

何が目的なんだ?

この女性客のために、数時間貴重な時間をつぎ込んでしまっていた。仕事が思うように進まない。当時はまだ「何かお困りですか?」と問いかける知恵がなかったので、かなり時間を無駄にしてしまった。

明らかに様子が変だ。買い物目的ではない。立ち読みもしない。商品も触らない。パクる気はないらしい。人を待っているとしたら時間が経ち過ぎだろう。ただ、ゆっくりと不規則に店内を徘徊しているだけだ。

なにか、特殊な事情があるのだろう。

私は、躊躇しながらも、現状打破のため、110番通報した。

そして、程なくしてパトカーが来て、彼女に二言三言話しかけると、彼女は大人しく警察官と共に店を出て、パトカーに乗っかり、店を後にした。その後、警察の方が見えて、状況を説明してくれた。

彼女は、夫のDV(家庭内暴力)から逃れるために家出をしてきて、行く場所がなく、コンビニを渡り歩いていたとの事でした。

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店の人には、大変迷惑を掛けて申し訳ないとの事でした。

2.  酔っ払いはホントに困りますよね。特に、店内の通路で寝てしまう人がいます。起こしても無反応。体には触る事が出来ないので、110番通報しかありません。

3. これもかなりレアなケースだと思いました。埼玉での出来事でした。

「マネージャー、いま、お客さんに蹴られました!」

40代のパートさんの言葉に、マネージャーも最初は冗談だと思ったらしい。

「歩いて来ていきなり膝の所を蹴られました。」


防犯ビデオで確認して、その異様な光景をみて目を疑った。

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その犯人は、常連さんだった。パートさんが前方から近づくお客様に進路を譲って、通路脇で待機してた。すると、すれ違いざまにいきなり前蹴りで膝部分を蹴ったのだ。そして、何事もなかったかのように、買い物をして出て行った。

これは、確実に、犯罪だ。暴行、傷害罪だろ。

スグに110番通報した。そして、警察官にビデオを見せた。警察もすぐに対応してくれた。まず、その犯人が再来店した所を押さえると説明される。常連のため来店頻度と来店時間はある程度特定できた。店舗駐車場で数日間、犯人の現れやすい時間帯に張り込んでくれていた。網にかかるのに、そう時間はかからなかった。

犯人捕獲。

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そして、出入り禁止に同意してもらった。その他の警察側の処分等は記憶が飛んでいるが、精神的ショックを受けた、超ベテランで、貴重な夕方勤務のパートさんを失った衝撃は鮮明に記憶している。

その他、万引犯捕獲、俳諧老人の捕獲、長時間放置車両の通報、駐車場内での当て逃げ事故、喧嘩、店舗施設内での未成年者の飲酒喫煙、駐車場での迷惑行為、とまぁ、まだまだ、ネタはありますが、強烈な一発は別のタイトルでお話ししたいと思います。


何かと、いろいろお世話になる119番110番。特に、警察の方々には、本当にお世話になりました。長い間ありがとうございました、と心から申し上げたい。


ご訪問ありがとうございました。


タグ:110番、119番
posted by Sun9 at 23:44| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月17日

客シェルター

ご訪問ありがとうございます。


長年のコンビニ就労で、いろいろなお客様に遭遇しました。その中でも、良くも悪しくも個人的に忘れられないお客様がいらっしゃいます。ふと、その中の一人を思い出したので、記事にしてみたいと思います。時期は思い出せませんが、都内の店舗での話しです。


「あの、すいません、駅から知らない男の人に後を付つけられてるんです。助けて頂けませんか?」

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やや恐怖で紅潮した表情から放たれた言葉に緊迫感を感じた。


20代半ば?浜崎あゆみさん似でエレガントなスーツを上手に着こなしていてハイレベルのオシャレ感オーラをこれでもかという程強烈に放っていた。


110番通報の余裕はない。ストーカーくんが、突入してくるかもしれない。


「じゃ、こちらへどうぞ!」


すぐにレジ横のスイング扉から奥のバックルームへ案内した。


夜の23時頃だったと思う。まだ二人体制のため多少の身の自由がきく。


「どんな感じの男ですか? 店内に今、いますか?」


ストーカーくんの乱入が確認されれば、即、110番だろう。


暗くて、人相は良くわからとのことでした。一応店の外に出て周辺を確認しましたが、不審者はいませんでした。

「あの、暫くおじゃましていてもいいですか?」


ダメという理由はない。むしろ身の安全のためそうした方がいいだろう。その周辺は以外と危険で、近隣で殺人事件とかも何件か起きていた。

30分ぐらいして、彼女は自宅に向かいました。


日本は夜に女性が一人歩き出来る程安全だという。しかし、場所によりけりだろう。出来れば、女性は夜(深夜)は一人で外出しない方がいいに決まっている。


そして、その浜崎あゆみさん似のお客様には店内で度々お会いする機会があった。常連さんの認識が芽生えて、挨拶から、多少の会話も許された。そして、わずかではあるが情報をゲットできた。確か24歳とお聞きした。ご自分で衣料品ショップ(自社ブランド?)を立ち上げて、社長業と店員を兼ねて日々忙しく生活しているとのこと。

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なるほど。そのハイセンスな身なりで納得できた。夜遅くなる理由も理解できた。そして、その後も何度か同じようなストーカー騒ぎがあった。そして、その都度、バックルームを提供した。

そして、某日夜24時ごろ、


「店長、また誰かつけて来る!」


阿吽の呼吸でバックへ通す。


「しつこいヤツですね。いつものヤツなんですか?」

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「暗くて、よく分からないのよね。」


「危険ですから、警察呼びましょうか?」


「大丈夫です。」


しかし、こう何度も続くと、かなり悪質なストーカーだ。毎日彼女の帰りを駅で待ち伏せしているのだろうか。
でなければ、神出鬼没的に後追いなど出来る訳がない。

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「なんだか、嫌な予感がするので、私でよければ、近くまでお送りしましょうか?」


無言と言う事は、肯定と理解するべきだろう。

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「じゃ、行きましょう。」


私は、棚に使うフックを隠し持ち、彼女と共に店を出た。


「一度、警察にご相談されたらいかがですか?」

無言でうなずく彼女は、言葉なく、静かにゆっくりと歩いていた。歩くスピードに危機感がないのが気になったが、私の同伴で、安心しきってくれているのだろうか。ポケットに隠し持ったフックを握りしめて、緊急事態に備えた。


「もうすぐそこだから、ここで大丈夫です。ありがとう。」


彼女が消えるまで、一応見守った。


そして、不思議なことに、それ以降、彼女の姿を見る事はなかった。恐怖を感じて引っ越ししたのかもしれない。まぁ、何事もなくてよかったじゃないか。

そして、彼女のこともいつしか記憶から自然消滅していった。



なんだ、つまらねー話、と思われましたか?


実は、話(ネタ)は、ここからです。


油ギッシュな中年オヤジになり、過去の事実を自分の中で都合のいいように解釈したくなる傾向がある。この悪癖により、このストーリーは以下のように強引に変換されてしまった。

0.00001%でも、その可能性は否定できないだろ?と開き直った、見苦しいオヤジがいる。

以下は、あくまでも、空想小説とご認識頂きたい。気分を悪くされた方がいらっしゃったらお詫び申し上げます。

==============

あれから、もう、少なくとの15年以上は経過してる。その後、考えると、多少不思議な事に気がついた。

毎回のお騒がせのストーカー男。

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彼女の入店時に、早歩きで、神妙な顔でレジ前に直行してくれば、状況はスグに理解出来た。あるとき、スグに店の外に飛び出して、その不審者を探した。


でも、いないんですね。それらしき人物が。


何回か試してみたが、結果は同じだった。

当時は別段、何も感じてはなかったが、後から冷静に考えれば、少しおかしくないか?

単なる思い過ごし? 被害妄想? だったのだろうか。

そもそも、それほど執拗なストーカーくんなら彼女の後を追って店内に侵入してきてもおかしくないだろう。何時間も、彼女が出て来るのを店内、または店の外で待つだろう。駅で彼女の帰りを待つ程の忍耐のある男だったら、当然の成り行きだ。なんだか、つじつまが合わない。

ストーカーくんはなぜそうしなかったのかという疑問が暫くしてからずーと残っていた。また、警察の介入もなぜ拒否していたのか理解できなかった。


また、さらに冷静に考えれば、ストーカーに敏感な女性が、得体の知れないコンビニオヤジ(当時は若干若さが残っていたが)に自宅が特定されてしまうかもしれない行動を許可するだろうか。

なぜ、私が送ると言った時、断わらなかったのだろうか。



「送りオオカミ」というリスクは考えなかったのだろうか。

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ここで、一つの仮説が頭をよぎった。


そもそも一連のストーカー騒動は、




狂言





だったと言うのか?

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そうだとしたら、なぜだ?


彼女は、架空のストーカー犯をでっち上げて、オレに近寄って来たんじゃないのか?♪

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バックルームに入り込んで、オレの告白を待っていたんじゃないのか?♪

オレに送らせたのは、自宅を教えるためだったんじゃないのか?♪

自宅に来ないオレに「意気地なし!」と見切りをつけて、店に来なくなったんじゃないのか?♪



どぶろっくの聴き過ぎかもしれない。




少々、悪乗りしすぎでした。不謹慎な内容にお詫び申し上げます。

真面目な話です。

実は、ここが本日の肝です。

突然町中でストーカーの恐怖を少しでも感じたら、遠慮せずに迷わずにコンンビ二のバックルームに逃げ込む事をお勧めします。

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(画像はイメージです)


もし、レジが込んでいたりして、状況を説明できない時は、トイレに逃げ込むのもいいかもしれません。それさえも不可能なら、勝手に<Stuff only>エリアに侵入しても構わないんじゃないか。あとで事情を説明すれば何とかなるんじゃないかなと思う。

人命、身の安全が第一です。

ためらわずに、行動してください。



お願いして、断わるオーナー(スタッフ)はまずいないと思う。事実、子供の逃げ込み場所として、告知されている。

冷暖房完備、見張り(オーナー、スタッフ)付きトイレ付きの24時間営業のマン喫レベルです。

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(画像はイメージです)


安心して、無料でご利用くださいませ、と言いたい。

核シェルターのごとく客シェルターとして、地域に安全を提供するのもコンビニの社会的使命だろう。

さらなる身の危険を感じたら、そこから110番通報すればいい。



ご訪問ありがとうございました。
タグ:逃げ込み寺
posted by Sun9 at 17:27| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月02日

熟練常連万引犯

ご訪問ありがとうごさいます。

ふと、ある万引犯の事を思い出しました。

コンビニ経営にとって、万引、内部不正は避けて通れない試練だろう。

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(画像はイメージです)


内部不正に関しては、厳密に言えば、かなりの精度で予防ができる。しかし、万引に関しては、パクる気満々の輩は、万難を排して必ずマイミッションを遂行して行く。

そして、熟練者は、周囲に複数のお客様がいても、ひるむ事なく、堂々とやってくれる。キョロキョロもせずオドオドもせず表情一つ変えずにパクっていく。

滞留時間が長く、突然店を出て行くという場合、かなりの確率でやられている。防犯ビデオで確認すると、決定的瞬間に遭遇してしまう。そして、不幸にもそういう熟練者に、絶好の狩り場(パクリ場)としてお気に入りにリストアップされられてしまったら、長い目で見たら甚大な被害を被ることになる。

熟練者の来店の度に、神経をすり減らし、目が離せない。バックルームでビデオモニターに釘付けとなり、犯行の決定的瞬間を息を飲んで待つ。しかし、不審な素振りをみせず、イライラさせられる。

「こいつ、今日は仕事していかないのか?」

しかし、一瞬の隙を見つけて、パクっているに違いない。熟練者は、ほぼ完璧に己の欲を満たして出て行く。現行犯で捕まえるなんて、ほぼ不可能だ。ただ被害を最小にとどめるために空しい努力をしなければならない。そして、熟練者の来店から店を出て行くまで、貴重な時間が失われてしまうのだ。

万引は、現行犯でないと捕獲(逮捕)出来ない。つまり、犯行の一部始終を確実に見ていて、店舗の外に出たら
声をかけるのが原則だ。その為の、警戒待機時間は相方にも負担をかけるし、私も貴重な時間を喰われてしまう。本当に無駄な時間と言わざるを得ない。

しかし、パクリ犯を摘み取って行かなければ、売上マイナス要素は減っていかない。

「検挙出来なくてもいい。せめて、二度と来ないでくれよ。」


そう思うオーナーは多いだろう。

私は、熟練常連パクリ屋に戦線布告した。

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かなり、危険な手法だが、やむを得ない。こちとら、少ない利益を守っていかねば、生活できないのだ。


都内の店舗での事例です。

20代前半の、OL風の女性が、熟練パクリ屋さんとしてエントリーされていた。見た目は、本当に可愛いお嬢さんで、まさかこの人がパクリ屋?と当初衝撃を受けた。

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(画像はイメージです)


彼女は、度々来店しては、食品類をごっそり持っていく。不審さは微塵も感じさせなかった。しかし、常習的な長時間の滞留と、お買い上げ無しが続けば、防犯カメラで確認したくなる。そして、大胆な犯行が明るみに出た。しかも、彼女が来るのは、夕方の時間帯で、私が常に監視できない。私がいない時は、多分やり放題となってしまっていたのだろう。だから、熟練常連万引犯となってしまった可能性大だ。

もう、当たって勝負するしかない。一歩間違えれば、人権問題に発展しかねない、ナーバスな展開となるだろう。あらゆる場面を想定して、イメトレした。


そして、遂にその時がやって来た。私の夕方勤務の時間帯に現れたのだ。


「お客様、大変失礼ですが、この写真は、お客様に間違いありませんか?」


例のごとく、何も買わないで店の外に出た所を追いかけて、唐突に話しかけた。話しかけられた熟練は、かなり驚いた様子で、私の顔を覗き込んで来た。しばし、状況が理解出来ずにいた彼女は、それでも平然と普通に答えた。

「はい、私ですけど・・・何か?」

可愛らしい声をいまでも記憶している。もし、ここで、『いいえ』の返答でも、熟練はかなり焦るだろう。なんせ、自分がパクリ行為をした後に、店を出て行く自分の後ろ姿だからだ。

「ヤバい、バレているかも。もう、この狩り場は捨てよう。」

そう感じて、二度と来なくなれば、御の字だ。そして、私は、慎重にシナリオ通り言葉を選んで、続けた。


「実はですね、大変申し上げにくいのですが、バッチリと決定的瞬間がビデオに映っているんですよね。」


突然、万引の証拠を突きつけられ、一瞬にして表情が凍り付いた彼女に、さらに続けた。


「お客さの、対応次第てす。今、ここで話し合って示談にするのも可能です。また、警察に聞いたら、令状をとって家宅捜査してもらうということも可能との事でした。」

暫くの沈黙の後、


「じゃ・・・示談にします。」

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熟練は完落ちした。

全てが、想定内であったが、可能性としては、

「ちょっと考えさせて」
「さっきの写真、やっぱ自分じゃないです。」

と切り出されて、逃げられることを予想していた。それなら、それでいい。警戒して、もう二度と来なくなればそれで充分だ。

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私は、一言も、万引したよね?みたいな事は言ってない。尋問もしてないし、監禁もしてない。


決定的瞬間



という言葉に過剰反応して、自ら進んで、罪を認めてくれたと言う訳だ。

もし、「決定的瞬間って何?」とか突っ込まれたら、こう言うつもりだった。


「それでは、その決定的瞬間をお見せしますので、事務所へどうぞ。」


そう案内されて、のこのこついて来る輩はまずいないだろう。

ヤバい、逃げられない、と感じたら、彼女は突然何か理由をつけて、その場から逃げ出すだろう。そして、二度と来ないに違いない。自分の犯行現場のビデオが存在している!と考えたら、かなりのプレッシャーと恐怖を感じるに違いない。

そして、その後イートインで話し合いをした。まず、今までパクった全てを書き出してもらった。そして、それをその場で弁償してもらった。

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そして、お決まりの文言を放つ。

「大変申し訳ないのですが、今後お客様来店の度に、また商品を持っていかれるんじゃないかなという目で、お客様を見たくないので、お互いの平和のために、出入り禁止とさせて頂いてもよろしいでしょうか?」


同意したパクリ常連は、出入り禁止の誓約書を黙って書いた。また、示談の内容は、証拠映像の第三者への閲覧をさせない(本部にも)、また期間を定めて、再来店なしが確認出来れば、証拠の映像の削除をする等であった。

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そして、彼女は、表情ひとつ変えないで平然と店を後にした。締めの謝罪の言葉もなかった。

本当に、大胆不敵の言葉がお似合いだった。


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結局、店にとっては、ベストな結果で一件落着した。

現行犯で捕獲できなくても、この方法なら、かなりの確率で出禁には持ち込める。その後も何回か試したが、写真を自分と認めないケースが多かった。(写真は、ビデオから静止画像をプリントアウトしたもの)しかし、再来店は確認されず、一応その目的は達成できたといえる。

ただし、この方法は、誰が見ても、その本人がパクっている一部始終が鮮明に記録されているという状況が絶対条件だ。万が一、パクリ屋が

「おもしれー、じゃ、見せてもらおうじゃねーか!」

という展開になって、見せたビデオが不鮮明だったら洒落にならない。人権問題に発展しかねない。



また、パクる前の本人の映像を見せて、必ず本人確認をする必要がある。

「こちらに映っていうのは、お客さまご本人で間違いありませんね?」

「わからねーな。」とか、「いや、オレじゃねーよ」という展開になれば、丁重にお断りすればいい。

「大変申し訳ございません。ご本人さま以外には、個人情報となりますので、ここから先はお見せする事ができません。」と深々と頭を下げれば問題ないだろう。

本人確認せずに、鮮明ビデオを見せてしまった場合、

「これ、オレじゃねーよ。てめー、オレを犯罪者扱いするのかよ!」

と言い張られたら、終わりだ。大問題に発展しかねない。


仮に、映像の本人確認して、

「これは、オレだが、なんだよ。何か問題あるのかよ。」

となれば、鮮明画像を見せればいい。

「これ、何をされているんですか?」

拡大して、何回も見せれば、ギブアツプだろう。そして、そこから、示談に持ち込めばいい。

しかし、絶対に、こちらから「これ、万引してますよね?」みたいな事は、言ってはいけない。万が一、犯人の巧みな抵抗で本人でないという流れに傾いた場合、一気に不利な立場に追い込まれ、多額の慰謝料を請求される可能性も否定出来ない。

そして、ここでもとんでもないヤツがいるかもしれない。

「てめー、ビデオを編集して、でっち上げてんじゃネーのか?」

まず、あり得ない展開だが、その対応も一応考えておく必要がある。



本当に、かなり危険で、ナーバスな対応が要求されるが、パクられるのを黙って放置状態にしておく訳にはいかない。

少ない利益を守らなければいけない。

現行犯捕獲が難しいなら、選択の余地はなかった。



しかし、どんな想定外の事態が起きるか全くわからない。

自己の不法行為を不問とし、平然と己の権利、人権を強引に主張してくる強者達がいるのも事実だ。


実践される場合は、あくまでも充分にイメトレして自己責任でお願い申し上げます。



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冷静に考えて、こんな刑事まがいなことまでして店を守らなければならないのか。

本部も警察もあてにできないなら、やむを得ないだろう。

コンビニって、ほんと厳しいな。

生きる為に、仕方ないか。


そして、人様の財産を正気で平気でパクれる人間が存在しているという事実は、本当に恐ろしいとつくづく思った。


ご訪問ありがとうございました。

タグ:万引
posted by Sun9 at 00:18| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月14日

マネージャーの反乱

ご訪問ありがとうございます。

私が開業した時期に、近隣で頑張っている店舗があるという事で、当店店舗担当者につれられて、ご挨拶にお伺いしました。距離的には、車で30分程度のところで、首都圏の幹線道路から、少し奥に入った所にその店舗はあった。


周辺には小学校、幼稚園、大きな病院、大きなマンションと、最高のロケーションだった。また、その店舗は、マンションの1F部分で、周囲が全て公道に面しており、独創的なたたずまいであった。

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唯一の敵はかなり先に御三家の一つが身構えていたが、その店舗は24時間営業でなかったために、深夜帯は市場をほぼ独占していたと言える。

オーナーは当時40代前半で、私よりも約一年早く営業していた。某地方都市で、中小企業の課長職に見切りを付けて、引っ越しもして、新たにコンビニ経営に挑戦したという。マネージャーも40代前半で、小学生低学年と幼稚園児の子供を抱えて、かなりハードな日常を強いられていた。

しかし、売上は酒タバコなしでも、日販45万〜50万以上売り上げていて、当方の日販30万そこそこに比べたら本当に羨ましいかぎりだった。しかし、それなりに、忙しさは想像を絶するものがあった。

交通の便がやや不便であったため、スタッフが集まりにくく、かなりタイトだった。特に、深夜はオーナーのワンオペがかなりあった。マネージャーも家事と子育てとシフトを何とかこなしていたが、わがままなパートさん達のおかげで、かなりストレスが溜まっている様子だった。もちろん、二人に休日などない。マネージャーが昼間担当で、オーナーが深夜担当というコンビニ夫婦にありがちな役割分担だった。

そして、その努力と過酷な労働の対価として、かなりの収入があった。余裕で100万円を超える月もあったという。

ここまでの話しであれば、彼は正に成功者であり、フランチャイズシステムをうまく利用して勝利を勝ち得た、紛れもない勝ち組オーナーだ。

毎晩、勝利の美酒に酔いしれても、なんら不思議でない。

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そして、そのまま、経済的優位性を保ちつつ、継続的に富を蓄積して、契約満了で勇退出来れば、また違った人生の絵図が描けたはずだ。


しかし、哀しいかな、そうは問屋が卸してくれないのが、コンビニ業だ。


状況は、気づかぬうちに少しずつ微妙に変化してゆく。

日常が、非日常の出来事で、知らず知らずのうちに毀損されてゆく。

気が付けば、全てがもう後戻りできないほど、夫婦お互いにダメージを受け、不幸の扉をこじ開けてしまっている事にやっと気がつく。

でも、もう、どうする事も出来ない。

もう修復は不可能かもしれない、と感じてしまう。

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全ての引き金は、マネージャーの体調不良だった。

突然の、当日シフトの欠勤。そして、それが、日常化してしまった。


「カミさんの野郎、またプッツン病がでて困ってるんだよ。」

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電話で、そう話すオーナーに緊迫感は感じ取れなかった。単なる、疲労からくる突発性のサボリ位の認識だったのだろう。しかし、冷静に考えてみても、経営者の一人であるマネージャーが、ドタキャンをしてしまう程、精神的にも肉体的にも追いこまれていたのだろう。



そして、数週間後、オーナーからこんな話しを聞かされた。


「いやー、本当にまいったよ。ヤツに、どうしたら真面目にシフトででくれるんだって聞いたら、マンション買ってくれたらちゃんと出るだってよ。しょうがないから、買っちゃったよ。」

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私は、腰を抜かした。

マネージャーの要求も規格外だが、それをすぐ実行してしまったオーナーにもぶったまげた。当時は、バブル経済まっただ中で、都内のマンションは桁違いに高騰していた。

そして、オーナーは、近隣で4500万円クラスの投資用のマンションをローンで買ったのだ。

毎月、40万円近くの支払いだという。しかし、当時の収入から考えれば、そう無理ではないのだろう。現にローンの審査にも簡単にパスした。

オーナーは口は悪いが、彼なりにマネージャーを大切に思っていたと思われる。日頃の頑張りの感謝の気持ちだったのかもしれない。彼なりの愛情表現とも言えないでもない。

しかし、マーネージャーはどうだったのか。

あくまでも私の推測だが、彼女は、



完全ブチ切れ状態




に陥ってしまった気がする。

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コンビニ脱出




を強くアピールしていたのではないか。

辞める方向で、オーナーからなんらかの言葉(話し合い)を引き出したかったのではないか。


でなければ、責任ある立場のいい大人が、仕事をドタキャンするだろうか。

唐突に、悪ふざけのように、マンションを買ってくれ、なんて言うだろうか。


マネージャーの過酷で地獄のような日常への必死の抵抗だったのではないか。


経営者という縛りで、夫婦があらゆるものを犠牲にしないと成り立たないコンビニフランチャイズシステム。

自己責任という名の下で、一刀両断するのにはあまりにも酷と言わざるを得ない。

最大の犠牲者は常に、妻でり、母親であり、主婦であり、経営者の一人である、マネージャーだろう。

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店だけに没頭していればいいオーナーとは違い、仕事量も精神的負担も肉体的疲労も全てオーナーのそれを上回る。倍以上と言っても過言ではないだろう。

そして、マネージャーが壊れてしまったら、もう全てが終わりだ。

私も、妊娠を契機にマネージャーを引退させた時、いかにマネージャーを当てにしていたかという事をイヤと言う程思い知らされた。

コンビニをどうしてもやりたいという強者がいたら、まず、マネージャー(妻)を当てにしない覚悟が必要だ、とアドバイスさせて頂きたい。

そして、少なくとも、確実な定休日は必須だろう。
好きで始めるご自分は休みなどなくてもいい(笑)と思う。
せめて、それが不可能なら、最低限の家事分担、子育ての協力だけはMUSTだろう。

いや、いや、オーナー(旦那さま)一人で店舗経営を全てやればいい。
そして、マネージャーは、家事と子育てに専念してもらう。

私は、この作業分担で、何とか乗り越えて来た。

年齢的に若ければ、可能だ。
30代〜40代であれば、低ランクの契約でも充分できるだろう。

かなりの確率で生き地獄を体験するかもしれないが。

その覚悟がなければ、見送る度胸も必要だ。

自分一人でもやれる。やってやる。

これこそ正に、自己責任の具現化だと確信する。

偉そうにほざいているが、結局破産した私が言うのも、少々、いやかなり説得力を欠いているかもしれない。

先陣の体験談レベルの話しということで軽く聞き流して頂ければ、幸でございます。


マネージャーの精一杯の拒否反応にきちんと対応できなかったオーナーは、とんでもない人生の苦難を味わうことになる。

お互いの意見を述べあって、今後の人生設計を時間をかけて話し合うべきだったのではないか。

規則正しく回転するギヤから外れて、空回りしているチエーンは、もう自力では元に戻せない。

オーナーが、じっくり焦らずチェーンをギヤにかけなおして、また二人で仲良く人生路を並走できる可能性もあった筈だ。

マネージャーの異変を感じ取ったら、それは危険なサインだ。

何が何でも、じっくり話し合う時間を作るべきだと思う。


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しかし、突如幕が切って落とされた。


「てめー、何してやがる! この野郎!」


オーナーの鉄拳が、若者の顔面に容赦なく振り注がれる。

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目の前でたたずむマネージャーのリアクションは想像出来ないが、かなり動揺したハズだ。


また、出て来た人物が、自分の店の深夜の人間だったのを確認した時のオーナーの心拍はいかなるものだったのか。

これは、想像を絶する修羅場だったに違いない。


相変わらずシフトに穴をあけて、朝しばしば化粧をして出かけて行くマネージャーを不審に思い、或る朝、尾行してみた。そして、マネージャーがアパートの戸を開けたら、なんと深夜のスタッフが出て来たではないか!

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このとんでもない事実を見せつけられて、激高しない男はいないだろう。

オーナーの心情は察するにあり余るものがある。

さらに、マネージャーは、逆ギレ状態で、単身でその若いスタッフと彼の生まれ故郷に行くと言い出したのだ。平たく言えば、旦那と子供を捨てて、若い男と、公然かつ平然と駆け落ちすると断言したのだ。

オーナーにとっては、これは、まさしく寝耳に水、青天の霹靂だったに違いない。

妻の不倫を目の当たりにした挙げ句に、なおかつ、逆ギレされて、自分の元から立ち去ると宣言されてしまったのだ。

冗談であって欲しい。夢であって欲しい。信じたくない。

しかし、現実は想像を絶する選択をオーナーに突きつけた。


離婚すれば、契約解除。

全てを水に流して、マネージャーと再起を図るとしても、マネージャーの協力はもはや当てに出来ない。

どちらを選択しても、かなり厳しい日常生活が待ち構えていた。


マネージャーは、私の妻とも親交があり、一連のその事の成り行きを詳しく知ることとなったのだが、やはり、良い悪いは別にして、どう考えても、マネージャーの駆け落ちは阻止するべきと考えて、私の妻が必死に説得した。そして、少し冷静さを取り戻したマネージャーは、取りあえず公然駆け落ちは断念した。


この事件以後、夫婦の亀裂は、もう埋めようがないものとなってしまっただろう。

マネージャーは当初離婚も辞さない様子であったが、オーナーはそれでも、なんとか家庭の崩壊だけは避けたい気持ちが強かったのだろう。結局は全てを許すということで、再度、夫婦の絆の再構築を試みるとのことだった。

しかし、コンビニ廃業という選択は取らなかった。

その後の状況は、不明であったが、マネージャーがすんなりと協力的にシフトインしたとは到底思えない。厳しい家庭環境と労働環境で、夫婦共に心身休まることがなかった事だろう。

成功していたオーナーも、まさかこのような展開になるなんて、予想だにしていなかったことだろう。

「オレは、何の為にコンビニを始めなんだろうか。何を間違えたんだろうか。」

自問自答の日々が続いたに違いない。

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思うに、オーナーだって殆ど全ての自分の時間をコンビニ運営に使っていた。休みもなく、家族のために働いた。酒に溺れることもなく、バクチ系も殆どやらない。ましてや、外部に不適切な関係の女性などいるはずもない。すべて、家族の幸福という大義のために、深夜一人シフトを精力的にこなしていた。家事に関しては不明だが、子供達の面倒はよく見ていた。深夜明けで幼稚園の送り迎えをやっていたのには感心させられた。

オーナーは精一杯頑張っていた。

仮に、開業の同意をしていたとしても、奥様自身がそのマネージャーという立場の過酷極まりない立ち位置は想定できなかったに違いない。


そして、コンビニ経営の実体験者でないと理解できない、夫婦の断絶に陥り、悶絶していたのだろう。

勤務時間帯のズレから生じる不協和音。

やがて、会話も少なくなる。

お互い口を開けば、お互いのダメ出しばかり。

もう、喧嘩をする気力すらない。

圧倒的に負担が大きいマネージャーは、かなりのストレスを溜め込む事になる。


くどいようだが、もう一度声を大にして、叫びたい。

マネージャーを当てにしない事だ。どんな苦境でも、絶対に当てにしてはいけない。

人がいなければ、24時間自分がいるではないか。

一時間でも、30分でも、事務所で寝れるではないか。

要は、マネージャーの人件費分をオーナーが働けばいい。

そして、マネージャーを完全リリースするべきだ。

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マネージャーには、家事子育てに専念してもらえばいい。

いくら、夫婦といえども、マネージャーの人生を苦汁に満ちた現世地獄に変質させ、奴隷生活の道連れにする権利などオーナーにはないハズだ。

一方的に、浮気をして、家庭を破壊して、旦那を傷つけて、子供まで捨てようとした。普通の主婦だった女性が、そこまでチェンジするだろうか。

その負の原動力、原因を作ったのは、いったい誰なのか。


それは、まぎれもなく、コンビニ経営というアメに飛びついた自分(旦那さま)に他ならない。

この現実を、直視し自覚し、覚悟を決めてマネージャーを開放するべきだ。



そして、コンビニ経営の厳しい労働環境、経営環境を完璧に理解しているマネージャーは、仕事以外の面においては全てにおいて協力的になってくれる(と思う)。
そして、極限状態で命を賭けて家族のため働く「オーナー」に、感謝するハズだ(多分)。

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そして、どうしても、どうしても、店が大ピンチの時は、自ら志願して、シフトインしてくれるだろう(多分)。

私の元マネージャー(妻)も旦那の苦境を推測して、心配して、よく声をかけてくれた。

「いないなら、出ようか?」

「大丈夫。なんとかなるよ。」

「過労死されたら、困るから。」

「どの人生も終わるさって、宗方コーチも言ってるし。」
(エースを狙え!を愛読されていた方ならご理解して頂けるでしょう)

「ばーか、勝手に死なれちゃ残された家族がこまるんだよ!」

いつものお決まりのやり取りで、終わってしまいがちだったが、好きで、この道を選んだ以上、妻の犠牲はあってはならないという信念があった。

私は、妻を店に引っ張り出したら、その時点で負けだ!と考えていた。妻を当てにしないで、仕事ができてこそ、真のオーナーだろう、それこそ自己責任だろ、という妙なこだわりがあった。だから、埼玉に移転するまでは、妻にヘルプしてもらった記憶はない。(朝方、痛風が悪化して歩けなくなり、数回だけ助けてもらったかもしれない)

過労死するんじゃないかという程疲れていても、シフトに穴があいても、盆暮れ正月で人手不足でも、とにかく一人で乗り切った。妻が、家で子供達と平穏無事な日常を過ごせているということが、自分のモチベーションにもつながっていた。

もっとも、現場を離れて、何年も経過していたので、マネージャーのスキルも新人レベル以下であるいう状況も、彼女の出番を皆無にする理由のひとつだった。


今回のこの出来事も、私から言わせれば、そこまで現実逃避に追いこんでしまったオーナーにもかなりの責任があると言わざるを得ない。それほど、マネージャーの負担は大き過ぎたのだろう。


彼女は何としてでも、コンンビを辞めたかったのではないか。どんな手段を使ってもいい。とにかく、逃げ出したい。そして、家族で普通に平穏無事な日常を過ごしたい。

切に、そう願っていた気がする。

しかし、脱出不可能の現実に意気消沈し、将来の希望も見えてこない日常生活に堪えきれなくなってしまったのではないか。

私を、こんなにまで追いこんだ、亭主にはもう未練も興味もない。

もうどうでもいい、なるようになればいい。(と思ったかどうか不明だが、近い感情があったものと推定する)

マネージャーは自らの自制心すらコントロールできなくなる程、心身ともに完全に疲弊しきっていたのだろう。



さらに、悲劇は続いた。バブルの崩壊という想定外の現実を突きつけられて、途方に暮れる。

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徐々に売り上げが後退して継続的に収入減が続く。はじけた泡は、形を変えて、庶民の生活に黒い陰を落とす。そして、それは、絶好調だった店舗にもモロに影響が出てきた。

そして、毎月の40万円の支払いがキツくなり、遂に禁断の売上金に手をつけてしまったのだ。

こうなると、もう、全てが破滅へと突き進んでしまう。

当然、契約解除というきついお仕置きが待っていた。


その後、オーナー、マネージャーは何の言葉もかわす事なく忽然と消えてしまった。


その後の話しだが、彼らが去った数週間後、本部がくじ引きで酒の免許を引き当て、日販が60万円台となったという話しを聞いた。もう少し、辛抱できたら、再起出来たかもしれない。残念でならない。



株でもFXでも商品先物でも、殆どの人が勝ち逃げ出来ない。
競馬でもパチンコでもスロットでも同じだ。

負けるまで、負け越すまでやってしまうのが、バクチだ。

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とことん負けて、再起不能の一歩手前までやってしまう。

コンビニ経営もある意味同じだ。

契約上の理由で絶好調の時に辞められない。
成功して多額の給与を手にしたら辞める気が起きない。

しかし、バクチより恐ろしいのは、

おけらになっても辞められない。
そう、手持ち資金がなくなっても、退散できない。
借金をしてまでも、賭け続けなければいけない。

完全に負けを認めても、抜け出す事ができない。

もはや、強制賭博なんじゃね?

とか言ったら、大げさ大将軍だろうか(笑)


ご訪問ありがとうございました。
posted by Sun9 at 17:45| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月03日

Flashback解雇通知

ご訪問ありがとうございます。

今回は、またしても突然脳裡に蘇り、私を苦しめる事件についてお話しします。


都内の店舗を閉店して、埼玉の直営店を引き継ぎ、オーナー店としてスタートするためには、避けて通れない試練だった。

それは、直営店のスタッフの選別であり、オーナー店に移行する一ヶ月前に本人に直接、採用不採用(継続雇用か解雇)を言い渡さなければならないという嫌な仕事だった。

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都内の閉店業務と並行してそれは進められた。

なぜ、選別が必要だったのかといえば、私が深夜勤務で、家内が昼間の勤務をしなければならない。都内の店舗のようにマネージャー抜きという営業形態は許されない。マネージャーの就業はリロケートの必要絶対条件であった。だから、24時間オールアルバイトとパートさんで運営されていた直営店では、人余りとなってしまう。少なくとも、深夜7人を3人に減らし、昼間の時間帯のスタッフも一人削らなければならなかった。

そして、時間を作り、直営店に乗り込んで、各スタッフと面接を行った。

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深夜スタッフに関しては、オーナー店への移行が確定した時点で、3人自ら辞めていきました。そして、もう一人も希望シフトと当方の希望シフトが合わずに自ら退いた。問題は、昼間のスタッフの選別だった。


ここの直営店では、早番7:00〜13:00 遅番11:00〜17:00というシフトがあった。

Aさん:早番遅番可能、土日祝日勤務可能で週4〜5日可能な20代前半の男性フリーター

Bさん:早番のみ可能、土日祝日勤務可能で週4〜5日可能な10代後半の女性フリーター

Cさん:早番遅番連続勤務必須、土日祝日勤務可能で週6必須な30代後半の主婦

Dさん;遅番のみ可能、平日のみ勤務可能で週3日希望の30代前半の主婦

マネージャーの勤務日時を考えれば、一目瞭然でDさんの脱落は避けられそうもない。

そこで、Cさんのシフトを少しでもDさんに分けられないものだろうか。面接で、Cさんのシフト減を打診してみた。

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しかし、見事に断られた。話によれば、勤務5年以上かけて勝ち得たシフトであり、生活がかかっているので絶対に減らせない、もし、シフトが減る可能性があるなら退職もやむをえず、その場合は早く教えて欲しいとのこと。

さらに、Cさんには小さなお子さんがいるため安定的な出退勤に疑問符がついた。

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しかし、若々しく明るく元気な様子は昼間のコンビニにはぴったりの人材だと思った。

私は、悩みに悩んだ。睡眠不足になるほど悩んだ。

直営店で、平穏無事に勤務していた人たちにとっては、まさにいい迷惑だったに違いない。

シフトをいじくられ、最悪強制退職を言い渡される可能性がある。

後日談で聞いた話だか、その選別の話は、直営店舗の本部担当から聞かされており、全スタッフ戦々恐々としていたらしい。自分がターゲットにされるかもしれないというネタで暗雲が立ち込めていたという。

一週間以上も考え抜いた末、やはりDさんを割愛するしか道はなかった。

オーナー店移行約一ヶ月前の某日、最終面談で、採用不採用を本人に伝えなければならない。

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「許して欲しいとか、理解してもらいたいなんて言える立場にないのは重々わかっています。でも、マネージャーの就業は絶対避けられないんです。シフト時間帯がマネージャーとかぶってしまうため、Dさんのシフトをマネージャーに譲っていただけませんか?こちらの、一方的なお願いで、本当に自分勝手だと非難されても仕方ありません。だた、申し訳ないとしか言いようがありません。本当にごめんなさい。もし、許されるのなら、なんとかお願いできないでしょうか。本当に、申し訳ない気持ちでいっぱいです。」

そのようなセリフを絞り出して、頭を深々と下げて、受諾を乞いました。


「ふざけんじゃないわよ! 人をなんだと思ってるのよ! 自分勝手なこと言わないでよ!」

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そうキレて、罵倒されたら、少しは気が楽になれたかもしれない。

そりゃ、頭きますよね。いきなり現れた訳のわからぬオッさんに、突然、人がダブってしまったので辞めてくれなんて。

人間不信に陥りますよね。

彼女に一体なんの罪があるのだろうか。

もし、逆の立場だったら、本当に辛いだろう。いや、その立場にない以上、その辛さを理解できるなんて無責任な発言は許されるはずはないだろう。



Dさんは二言三言不平不満らしき文句を言って、涙を一杯溜めていた。

真っ赤な目で、私を睨みつける、その眼光を今でも忘れることができない。

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一人の主婦の職場環境を破壊し、剥奪して、気分がいいわけない。いくら、一ヶ月以上前の告知であれば、法律上問題ないとはいえ、気がひけるし、強く罪悪感を感じた。本当に心が痛かった。


静かに立ち上がり、事務所を後にした彼女は、その後仕事が正常にできただろうか。彼女の心情を考えれば、平常心で居られるわけなかっただろう。心底、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


なんとも、嫌な役割だった。

己が生きていくためには、仕方ない、止むをえないと自分に言い聞かせても、極度の自己嫌悪に陥った。


その後のCさんの話では、Dさんは子育ても一段落したので、土日もシフトに出て収入を増やしたいと言っていたそうだ。

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さらなる罪悪感に押しつぶされそうになった。

なんとも後味の悪い出来事であった。


しかし、彼女はまだ30代前半であったため、次の職もすぐに見つかったとのことでした。それが、せめてもの救いだった。


今、冷静に考えると、直営店を引き継ぐ前の人事権は、本部にあるんじゃないの?

いや、いや、いや、本部は綿密にその辺の割り振りを考えてその役割分担を明確に取り決めて、契約書に明記しているはずだ。(未確認だが多分)


この話には後日談がある。

私は、これで、少しは救われた気がした。


近隣に御三家が乱立して、店が傾きだした頃、ちょうど、Dさんが強制退職を余儀なくされてから4年位経過した頃の話です。ちょうど昼間のスタッフさんが辞めて、昼シフトが不足気味な時期がありました。そんな時期に、たまたまCさんに会いにDさんが店舗に訪れたという話を聞きました。

私は、過去の贖罪という意味合いも含めて、Cさんを通して、復帰のラブコールを送らせて頂きました。本当に戻ってきてもらいと思いました。


しかし、見事に一蹴されました。



理由は、もう既に現職の仕事が軌道に乗っているし、その仕事が気に入っているとのことでした。

そりゃ、そうですよね。

「今更、何言ってんの?身勝手なこと言わないでよ、この恥知らず!」

と思われても仕方ないですよね。



そして、なんとご本人が後日店にたまたま現れたので、当時の非礼とひどい仕打ちを再び丁重に詫びました。

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「あの時は、仕方なかったですよね。もう、なんとも思ってないですから。」

本当だろうか?

しかし、私は、なんとか少し救われた気がした。



しかし、Dさんの怒りと悲しみに満ちた、涙で潤んだあの瞳は、永遠に忘れられない。同じように、彼女の心の傷も永遠に癒えることはないのかもしれない。そう考えてしまう私は、永遠にそのフラッシュバックから解放されないだろう。

まあ、仕方ないか。罪と罰だろう。

コンビニのリロケート(移転)には、このような精神的苦痛リスクも伴う。(あくまでも、低ランク契約で、直営店を引き継いだ場合に限定されますが)


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そのリスクを回避するために、リロケートの時には、既存スタッフを公平に全員解雇するという荒技(総入れ替え)を断行するオーナーもいる。そうすれば、新店同様のオープニングスタッフとしての採用が可能となるため、新戦力も集まりやすい。また、変な既存ルール、雰囲気もないため、スタッフにとってはプラスだろう。さらに、目に見えない既存不正行為の撲滅のためにも、店にとってもプラスだ。

しかし、オーナーの仕事は一時的に多くなり、かなりの困難を抱え込む可能性も避けられないだろう。

また、問答無用で切られた既存スタッフさん達も納得がいくわけなかろう。当然、強烈な恨みを買うかもしれない。

しかし、これがコンビニ経営(奴隷?)の現実だ。

人様の痛みなどかまっていられなくなってしまうのだろう。

でないと、自分が生活できなくなってしまう。


だが、冷静に考えれば、誰でも理解できる。

マネージャー(奥様)の協力は前提条件だが、スタッフさんたちの協力なくしては絶対に成り立たないのがコンビニ奴隷契約だ。

オーナー様だ!と威張り散らして、パワハラ、セクハラオンパレードでは、限界が見えてくる。

運命共同体として、いかにご協力いただくことができるかがメインテーマだ。



「オメー、偉そーにンな甘いこと言ってっから、落ちぶれたんじゃね?」


かもしれませんね。(苦笑)


でも、人は独りでは、何もできないと痛感したのは事実でした。



ご訪問ありがとうございました。



posted by Sun9 at 01:46| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月12日

マネージャーの涙

ご訪問ありがとうございます。

本日は、あまり思い出したくない話です。

全ての崩壊と破滅は、私のある独断と愚行によって静かに進行して行きました。ある意味、コンビニへの加盟とその業績不振だけが人生転落の原因ではない。その決定的主原因はやはりこれだろう。

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そう考えるのが、やはり自然と言わざるをえない。


形なりにもコンビニを経営していれば、各方面から色々な営業攻勢にさらされる。

バブル期には、株屋に不動産屋は頻繁にやって来た。

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業績が悪ければ、当然門前払いだが、いたずらに多少なりとも利益が蓄積されていると、ついついスケベ根性が露呈されてしまうのは止むをえないだろう。

特に、バブル全盛からその崩壊の過程では、多くの小銭持ちオーナーたちが、その泡に踊らされた。株式と不動産で痛い目にあったオーナー達はかなり多いのではないか。

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そして、体力のないオーナーは、自己破産、夜逃げを免れず、また最悪自ら絶命という末路を余儀なくされた方々も少なからず存在していただろう。

何を隠そう、この私も、完璧なバブルの生き証人であり、その後の失われた20年の体験者に他ならない。決してバブルの被害者だ、などとうそぶくつもりはないが、かなり辛い時代が続き、その後のコンビニ運営に大きく負の影響を与え続けた。

そして、最終的には、破産の道が待っていた。


株に関しては、数百万円の損失を被った。しかし、最大の失敗は土地に手を出して、バブル崩壊と共に大暴落して処分できずに何年も持ち続けてしまったことだ。

千葉県の横芝というところの44坪の土地に飛びついてしまった。

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営業マンが飛び込みでやってきて、各種資料を持ち込んで熱心に力説していた。


「千葉県の九十九里浜は、オーストラリアのゴールドコーストになる!」
「資産価値は、今後は右肩上がり間違いない。」
「官民合同で、鉄道、高速道路と既に具体的なインフラ計画が決定されている。」
「整地されており、水道も引かれている。外構も出来上がっている。電気もすぐ通せるから、すぐにでも家が建てられます。」


何しろ、代々土地を所有したことがない家系であり、土地所有に対する憧れと執着があった。

また、ただ単純に、海が好きであり、九十九里海岸まで4キロぐらいの立地であるというのにも惹かれた。

そして、コンビニで頑張っている自分へのご褒美として、またコンビニ引退後の老後はそこで暮らすのもいいだろうという漠然な気持ちがあったのも事実だった。

また、過労死覚悟の廃人誘発的シフト、超過激長時間労働をこなす上でのモチベーション維持のためにも何らかの目標が必要だと自分に言い聞かせた。

しかも、土地神話がまだまだ説得力があり、バブル全盛期時代に、


1621万円


これはダダ同然に感じた。

そして、最後の殺文句に納得してしまった。

「この先、ご商売をされていれば、何らかの逆風にさらされることもあるでしょう。その時に、この土地がきっと助けてくれるでしょう。日本の社会において、土地が値下がりするなんてことは絶対にありえませんからね。」

私は、業者と共に、現地を訪れ、迷いなく決断してしまった。妻の否定的な意見など耳に入らなかった。そして、頭金も土地価格の一割で審査が通った。

自分としては、バブルに踊らされたという実感がなかったのが命取りだった。

「自分が最終的に住むんだから、別に問題ないだろう。少々高い買い物をしたにすぎない。」


この往生際の悪さが破滅を招いた。



当時の契約内容を見ると、恐れおののく。今じゃ、一ヶ月分も払えない。

残金の1450万円を年利6.6%の30年ローン(固定金利)で毎月93180円の支払いであった。 

契約は、平成元年になされ、その後平成6年に変動金利(年利4.9%)に変更するまでの5年間はこの金額を支払っていた。それでも、その後も毎月78088円の支払いが続いた。

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家賃が12万円近くあったので、かなりの負担だったはずだ。しかし、なんとかバブル景気のおかげで返済できていた。だがそれも、バブル崩壊と共に、完全に家計の特大お荷物となり、生活を圧迫し、厳しい生活を強いられ続けた。

自業自得であり、己の浅はかさを呪うしかなかった。そして、その後の不況対策による金融緩和により、ローンの金利がかなり低下していったのも、土地処分の決断を鈍らせた原因だろう。事実、破産寸前までは、毎月4万円代の支払いであった。


そして、そういう状況の中で、コンビニ競争のドラマが演じられたのだ。

人件費を極限まで削り、家賃を5万まで落として、店に住みついて、なんとか生き抜いてきた。競争店出現による売り上げ低下も原因の一つではあったが、死ぬ気で働かなければいけない理由がここにもあった。

冷静に考えれば、生き地獄を演出したのは、まさにこの自分に他ならない。

そして、コンビニ経営退場の一番の原因は、やはりこのバブルの負の遺産を抱え込んでしまったことに間違い無いだろう。

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私の愚行が、一家を破滅に招いてしまったという事実は否定できない。

ローン残債約440万円を残しての自己破産。

全てが破産管財人の手に委ねられた。

地主の夢が、土地の全てが、泡の如く消えてしまった。

そして、預貯金ゼロのおまけまでついた。

元本のみでも1200万近くのお金を捨ててしまったに等しい。利息部分を入れたら、一体いくら無駄に支払ったことになるのか。

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気分悪くて計算したくも無いが、多分2000万は下らないだろう。

破産後、その土地が30万円ぐらいで落札されたという裁判所の通知を見て己の愚かさを改めて痛感した。マジ胸クソ悪かった。バカは死んでも治らないのだろう。

本当に、死にたいぐらいの虚無感を感じた。

「土地のローン分を貯金していたら、余裕で1000万以上貯まっていたよね。」

静かに、冷静にそう語る妻には頭が上がらない。

「馬鹿なアンタを選んだ私が、間違いだった! 散々コンビニで苦労して、結局、何も残らなかった。挙げ句に私まで破産して、社会的信用をなくした。もう、アンタとは、一緒に生きて行く自信がない。別れましょう。」


こう切り出されたら、否定する言葉が見つからない。

私は、覚悟はできていたが、なぜかその妻の選択肢は免れたようだ。


貧困にあえぐ日々ではあるが、親子4人、平穏無事に暮らせていることに感謝するべきだろう。


余談だが、バブル崩壊後、マネージャーとその土地を見に行った時、私は驚愕する情景を垣間見た。

マネージャーのサングラスの下から頬をつたわる一筋の涙を見てしまった。

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マネージャーは、何を感じて、なぜ涙したのか。サングラス越しではその表情はわからなかった。

その後の、悲惨な破産劇を象徴していたかのような出来事だった。



「あなたのせいで、私の人生めちゃくちゃだわ。一体どうしてくれんのよ!!」


そうブチ切れてくれれば、少しは気が楽になれただろう。


何も語らず静寂の中で涙した妻の、一筋の涙が今でも忘れられない。

どう、罪滅ぼしをしたらいいのかすら思い浮かばない。



後日談だが、最近になって妻が、当時のその涙の理由を静かに語ってくれた。


「こんな辺鄙な土地のために、これから一体いくらのお金を払い続ければいけないの?」
「どんだけ、苦労しなければいけないの?


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妻は、見事にバブルの本質を見抜いていた。



土地を買ってから、私は、一生涯のお小遣いを没収されてしまった。


「あなたにはもう一生涯分のお小遣いをあげたからね。」


仕方ないだろう。当然かもしれない。これで罪滅ぼしになるならと、喜んで受け入れている。



今現在も、未だバブルの後遺症で苦しんでいるオーナーの存在を否定できないだろう。

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ご幸運を祈るしかない。


ご訪問ありがとうございました。

追伸:(ご注意)マネージャーが語った「辺鄙な土地」というのはあくまでも個人的な意見です。土地の周辺には民家も普通にたくさんありました。あくまでも、当時住んでいた自宅地域よりも不便な面が多いと予想されるという意味です。
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2016年10月17日

馬券生活者〜謎の関西人

ご訪問ありがとうございます。

本日は、コンビニをやっていれば、必ず遭遇する記憶に残るお客様の話です。良くも悪くも、さまさまなお客様がご来店されます。そして、店舗を舞台に、様々な人間ドラマが演出されていきます。そして、知らず知らずの間に、そのドラマの重要なキャストになってしまっている場合がある。経済的ダメージを被り、いい社会勉強をさせてもらったことも多々ある。

しかし、本日は、少々レアな部類のネタになるのではないかと思う。


最近、あるクリアファイルを発見して、そのお客様のことを思い出しました。全て処分したはずだったあるコピー済み用紙が何枚か残されていた。

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その方は、ご近所で独り住いをされていて、ある日突然、現れました。モロ関西弁丸出しで、一人ツッコミをしていつも笑いの絶えない方でした。年は70代前半で、昔は、報道機関で長きにわたりご活躍されていたという。突然、政治ネタ、国際政治ネタを振られて、返答に窮したことがある。その洞察力と、鋭い切り込みには、賛否両論あるだろうが、歯に衣を着せぬ方だった。


「にーちゃん、ほんま、〇〇(政治家等)はアホやな。そう思うやろ?」

レジ前で、まるで吉本芸人のノリで、盛り上げてくれる。他にお客様がいなければいいのだが、彼の目には他のお客様は単なるギャラリーに映るのかもしれない。平気で話しかけて、同意を求めたりする。

困惑した他のお客様は、(困ったおじいちゃんだよね?)というアイコンタクトを送ってきたりする。また、露骨に、周囲のお客様から、

「うるせーんだよ、ジジイ!」

と不快感をあらわにされて、一触即発の状況に陥ることもあった。そして、時として口論となる場合もあった。

しかし、白熱した議論も、その関西オヤジは、実にうまく落し所を見極めていた。

「あんなー、70過ぎのジーサンをあんまいじめんといて・・・」
(完璧に再現できませんが、このようなことを言っていました。)


関西系芸人の勝利なのだろうか。実に話がうまく、まるでテレビで老キャスターを見ている雰囲気があった。

そんな芸人オヤジが、某日曜日の朝、興奮して、怒鳴り込んできた。

「店長! やったでー、マンシュウや! 見てみぃ、これ!」

切り取られた、スポーツ紙の競馬面をレジ前に叩きつけた。

マンシュウ?麻雀?何言ってんだ、このオヤジ。

そうか、競馬で、万馬券を取ったということかとすぐに理解はできたが、そのあまりの興奮の仕方が異様であった。

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でも、なんだか胡散臭いと思った。


それからの出来事で、徐々に芸人オヤジの秘密が分かってきた。

無職ではあるが、競馬で毎月200万円近く稼いでいるらしい。一点1000円で、基本的に枠連勝負とのこと。ベースは、日刊スポーツの朝刊を使う。また、年末に本屋で売り出される定番の、高島易断の暦を利用していた。

そして、日曜日と月曜日の朝は、必ず店に現れて、勝ち戦の自慢話に付き合わされる羽目となってしまった。

さらに、高額配当(7000円以上、つまり、7万円以上の払戻)があった時は、ご祝儀と称して、500mlのキリンのクラシックラガーを一本ゴチしてくれた。

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ちなみに、この特典は、店が移転(閉店)する直前まで、ほぼ毎回ゲットしていた。当時で、1本270円代だった記憶があるが、ずる賢い私は、芸人オヤジが退店した後に、それをレジで払戻をして、ポケットマネーにしていたなどどは、口が裂けても言えないだろう。(苦笑)

そして、勝ち続けるオヤジは、前日の収支を綺麗に手書きで書いて、自慢げに私に見せるのが定例となってしまった。

正直、これは、少々ウザかった。確かに、500缶ビールのおまけ付きだが、自慢話が延々と続く。かなり、仕事に支障をきたしていた。なにしろ、一人勤務で、やることが多すぎる、朝の時間帯である。

「それじゃ、それ、コピーさせて頂いてもよろしいですか?」
「ぜひ参考にさせてもらって、勉強してみます。」


そして、スポーツ紙の切り抜きと収支計算書をコピーすることで、一区切りつけることに成功しました。

「じゃ、コピーしますね。」と言って、芸人オヤジを自然にコピー機の近くまで誘導する。

コピー機がちょうど出入り口の近くに置いてあり、コピー後に芸人オヤジに原本を返すと、そのまま大人しく満足げに店を後にするというパターンが見事に出来上がった。あくまでも、勉強するというのはリップサービスであった。この時点では、まだ信じがたい、芸人オヤジの狂言と思っていた。

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スポーツ紙の切り抜き



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収支計算表






当初は、このオヤジ、本当かよ?という感じで、ほぼ聞き流していました。

そもそも、ギャンブルで生活できるなら、そんな美味しい話はないだろう。

負けて、破産、もしくはその直前まで入れ込んでしまうのが、博打だろう。

いや、競馬は、博打じゃねー、スポーツであり、自分の記憶と感性とデータで勝敗を推測する高度な投資だ、と熱く語る御人もいらっしゃいます。

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しかし、私は、個人的にはギャンブルという認識だ。

この関西芸人爺さん、場末のコンビニオヤジを騙して、そのリアクションを見て喜んでるんじゃないのか?

いや、仮に、そうだとして、芸人オヤジに何のメリットがある?

私を騙して喜ぶために、手の込んだ、手書きの収支計算表ををわざわざ作るだろうか。わざわざ身銭を切って500缶ビールをゴチするだろうか。手が込みすぎだろう。

さらに、その後、そのオリジナル法則を開発してからの、古ぼけた収支ノート(投資金額と回収金額のみ記入)を4〜5年分を見せてもらったが、最初の頃は、30万円くらいの利益であり、その後、70〜80万と増えて、当時の直近では、250万円以上の利益を手にしていた。

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また、当たり馬券を見てなかったが、聞くところによると、馬券購入はアルバイトを使って、電話で連絡して、買ってもらっていたという。一開催、1万円のギャラで、万馬券が出ればスペシャルボーナスを支給していたという。

また、競馬のない平日は、銀座に入り浸り、行きつけの高級クラブで豪遊していたらしい。来店のたびに、スタッフ一人一人にチップをはずんでいたと自慢していた。中でも、ナンバー2の古株の女性に、万馬券が出れば、無条件で1万円献上していたという。


「本当かよ、ありえなくねぇ?」


やはり当初は作り話として聞き流していたが、ある日、そこのお店から来たという暑中見舞を見せてもらい、否定する根拠がなくなった。

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丁重に、綺麗な女性の文字で日頃のごひいきに対する感謝の気持ちが記されていた。もちろん、店名、住所、電話番号が載っていた。

仮に、でっち上げだとしても、一体、何のメリットがある?

コンビニオヤジをそこまでして騙して、何の得がある?

もう、素直に、全面的に信じるしかないだろう。


世の中、本当に馬券生活者なるものが存在するんだ、とつくづく複雑な気持ちになった。

こちとら、日夜、休みなく働いて、Max40万そこそこ(当時)。銀座の豪遊なんて夢のまた夢。


「真面目に働くのがあほらし、俺にもできないかな。マジで。」


毎週、毎週、30万〜40万を少しの労力で手に入れている人間を目の当たりにして、その真似がしたくなるのは、貧乏人間として当然の成り行きであり、やむをえない思考回路と言えるだろう。


実は、芸人オヤジは当初、その秘密のセオリーについては、あまり語らなかった。また、他人の馬券を乗せると(一緒に馬券を買うと)ツキが逃げるから、それは絶対にしないと言っていた。

しかし、時間の経過とともに、その秘技が徐々に公開されていった。


「いやな、電話機の番号を見てひらめいたんや。あと、開催日の暦を見て、その日が六白金星なら6の日や。」


断片的ではあるが、耳にタコが出来るほど聞かされていたので、自然とその基本的な理論だけは覚えていた。

1. 九星でその開催日の基本数字を特定する。
2. その数字により、基本の枠が決まり、買い目も決まる。

基本数字 1 4 7 
→ 1枠 4枠 7枠中心
→ 基本買い目=1-4,1-7,4-7

基本数字 2 5 8 
→ 2枠 5枠 8枠中心
→ 基本買い目=2-5,2-8,5-8
  
基本数字 3 6 9 
→ 3枠 6枠 8枠中心
→ 基本買い目=3-6,3-8,6-8
(9に関しては、258でも可)

3. 日刊スポーツ朝刊の競馬紙面で、レース総評の囲いのコメントが激戦等の波乱含みのレースを狙う。

ここまでは、機械的に買い目を出せるが、以下の項目が難解である。

4. 基本数字で総流し 
→7が基本数字なら、7から全部の枠を買う。(7点買い)

5. 8枠ある場合、1枠から4枠と5枠から8枠とに2分割して、荒れそうな方を総流しする。基本は、基本数を含む方で総流しするが、その中に人気枠が存在する場合は、違う方を総流しする。(6点買い)

6. 基本数字には、それぞれ穴枠がある。

147→穴2枠3枠
258→穴7枠1枠
369→穴7枠1枠

7. 大安はゾロ目が来やすい。

8. 前走9着は枠に絡んでくる可能性がある。


よし、やってみよう。全12レース基本筋のみの三点買いでいい。一つでも高配当が来れば面白い。いきなり馬券は怖くて買えないから、とりあえずシュミレーションしてみよう。

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見事に完敗




その日は、基本路線ではなくて、アレンジ路線(上記456)へ流れたので、その方法で見ていれば、かなり面白い体験ができたはずだった。


結局、芸人オヤジは、肝心なところを隠していた。いや、語らなかったのだ。それは、レースの仕分けの方法と、基本路線でいくのか、アレンジ方法で攻めるのかの判断の仕方だ。素人にはその判断が出来る訳がない。そういえば、オヤジがよく言っていた。

「いきなり金をかけないで、初めはシュミレーションでやる方がええよ。そして、コツをつかんだら、100円から始めればいい。」

「基本セオリーはほぼ教えたで。あとは、自分で試行錯誤を繰り返して、独力で自分の必勝パターンを作り上げることや。」


そう、オヤジは、ツキが逃げるから全てを語らなかったのだ。(と思う。)

時間があれば、のめり込んでみたかったが、結局奴隷身分の私には、時間がなさすぎた。
  
博打の世界もそう甘くはない。



某土曜日の朝、オヤジがやって来て、いつもにない行動を見せた。

「店長、今日は、これで連絡入れるで。見ててみぃ。」

そう言い放つと、無造作に紙切れを手渡した。そこには、数レースの買い目が書かれていた。

「やった、これを買ったら、少なくとも10万以上は稼げるはずだ。ネットですぐに買おう。」

私は、当時オヤジに刺激されて、JRAのIPAD(会員制ネット投票)に加入していた。

しかし、残高がゼロで買えないじゃねーか!

シフトが午後まで入っていて、後楽園にも買いに行けないだろ!


目の前の万札が逃げて行く!!


翌日、早朝、朝刊の到着ともに逃がした魚の価値を確認する。


嘘だろ!!



目を疑った。





全滅完敗




あの、競馬の神様がかすりもしなかった。今まで、かなり苦戦した開催日も確かにあったが、必ず1レースは穴を引き当てて、収支をプラスにしていた。


そして、その日の朝は、初めて来なかった。

しかし、翌日、月曜日の朝は、いつものように新聞の切り抜きと収支計算表を持ってきて、何事もなかったように熱く語っていた。なぜか、前日の話はなかった。


「昨日、見事に全部外しましたね。どうしたんですか?」


と突っ込みたかったが、出来なかった。熱く語るオヤジの熱気に押されて、そんなマイナス的出来事を持ち出すタイミングがなかった。

オヤジは、たまたま負けただけなのか、それとも、ついにボロを出したのか。

やはり、身寄りもなく、楽しみもそれほどない老人が、暇つぶし的に、羨望と驚きの私のリアクションを見て、密かに喜んでいるのだろうか。

全レース終了後に、そのオヤジのセオリー通りにはまっている的中レースを拾って、表に書き込んでるんじゃないのか?

ビールのおごりも、事実の裏付けのためのパフォーマンスに過ぎないんじゃないのか。

銀座豪遊店からのハガキの件も、たまたま数回行って、その後の単なる営業のハガキなんじゃないのか。

疑いだしたらキリがない。

そして、ある日、私は突っ込んだ提案をしてみた。

「JRAの会員になっていてパソコン、携帯から馬券を買えるんですよ。もし良かったら、馬券買いましょうか?ギャラは一切いりません。日頃、店をご利用いただいていますので、それぐらいお役に立てればと思いまして。」

関西オヤジは、一瞬微笑んだが、ノーコメントだった。


限りなく、怪しいだろ。

ノーコストで馬券が買えれば、そんな美味しい話はなかろう。

それを拒否する理由とは、なんなんだろう。

本当に、馬券買ってんのかよ。

いや、もう、分からない。

そう、もうどうでもいい。

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それよりも、来週のシフト、来月の利益配分の方が心配になった。


そして、私は、その後も移転閉店まで芸人オヤジの勝馬券劇場に付き合い続けた。

そして、500缶ビールもゴチになり続けた。


「じゃ、店長、たっしゃでな。」

最後のセリフは妙に鮮明に記憶している。



好むと好まざるに関わらず、株で500万円儲けた、競艇で60万勝った、パチンコで20万勝ったなどと景気のいい話が飛び交い、半信半疑でも、羨ましい、オレにも真似できないかな、とマジで考えてしまう自分がいた。

不安定な経済基盤で、日夜生き地獄、そして無間地獄を体現していた自分が、少しでも金の匂いがする領域に興味を引かれるてしまうのは止むを得なかった。

幸い、ギャンブルにハマる時間も金もなかったため、被害は、最小限度で食い止めた。


貧すれば鈍する可能性が常に付きまとうのも、コンビニオーナーの宿命なのかもしれない。


ご訪問ありがとうございました。


(お願い)馬券のご購入は自己責任でお願い申し上げます。また、関西弁の再現表記に関しましては間違いがあるかもしれませんが、その辺はご理解を賜りたくお願い申し上げます。


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2016年10月24日

未公開株詐欺被害

ご訪問ありがとうございます。

今回も、思い出したくない話だ。

自嘲と自戒の念を込めて語りたい。

バブル崩壊後の売上減少、そして過酷な労働環境に身を置き経済的苦境と破綻の恐怖に怯え日々奮闘していた。単身赴任状態を余儀なくされて、あらゆる面で一途に耐え忍ぶ日々が続いていた。

しかし、バカはまた再びバブルに踊らされてしまう。

そう、突然やってきたITバブル(1999〜2000年)に熱くなってしまったのだ。

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そして、その儲けた小金で、アレに手を出してしまった。

タイミングよく得体の知れない業者がやってきて、猛烈にアタックされ、つい話に乗ってしまった。

マネージャーにバレたら大変なことになっていただろう。


何しろ110万円近くをドブに捨てたに等しいからだ。




本日は、ぜひとも、私のそのアホな体験を公開し、皆様方には絶対に危険なものに手を出さないようご認識して頂ければ幸でございます。

「普通、そんなもんに手ぇー出さないんじゃねー?」

と突っ込まれれば、その通りでしょう。では、バカ愚か者の笑い話としてお聞きください。

しかし、大きなお世話かもしれませんが、無用な損をしないためにも、得体の知れない業者から未公開株を買うのは絶対に

 
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です。

いまだに、未公開株詐欺の話題が後をたちません。

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何を隠そう、この私も この時期に総額で約110万円位やられました。


もう、10年以上も前の話ですが、絶対に言える事は、正規ルートでの取得以外は99%詐欺です。詐欺でないにしても、投資金額に見合わない結末が待っています。私が引っかかったのは、

1.イーバンク
2.DHC
3.イーマーケティング
4.大塚製薬


それぞれ、違った結末が待っていましたが、その悲惨な現実を公表します。

かすかな記憶をたぐり寄せて記事にしました。なお、私の記憶も不鮮明なところがありますので、当時の状況が明確な事実でない可能性もありますので、ご了承下さいませ。ただし、損失金額に関しては、かなり正確に記憶しています。また、時系列が曖昧ですのでその辺もご了承下さいませ。

1.イーバンク
ある日、某投資会社から突然連絡があり、イーバンク上場の話しがありました。結果として愚かな私は、すっかり信用して、確か一株20万円位で購入してしまいました。株式は200株単位であり、上場の際には分割されるので、某弁護士預かりの元で、預かり証の発行のみの取引という事でした。そのときは即答は避けて、自分なりに調べて後日決断しました。その某弁護士にも電話で事実確認を行いました。その後も、追加で2株、確か15万と10万円だったと思います。トータルで45万円の投資となりました。

そして、数年後、イーバンクは楽天銀行に吸収されて、単位株の変更があり、自分の所有する株は端株扱いとなってしまいました。会社側も民間に散らばった不本意な株主を退場させるための手段を講じて来たと思われます。そして、端株を売却するか、楽天株との交換に応じるかの選択枝がありました。(この辺の記憶が飛んでます。事実と異なる可能性あり。)私は、売却の選択をして、数万円のみの回収に甘んじました。結局、上場どころか、強制退場に近い形で幕を閉じる事になりました。当時の状況を調べましたが、公開買い付けも行われた模様です。全て、自己責任です。自分の愚かさを悔いました。

結末=約40万円の損失


2.DHC(平成18年頃?)
これは有名な詐欺でしたよね。テレビ報道もされ、新聞にも掲載されました。株券の写真もありました。

「えっ、オレが買ったのと同じじゃねーか!!」

絶叫し、衝撃が脳天を直撃しました。


40万円パーかよ!!


40万円で購入していた自分は、まさにい青天の霹靂だろ。

スグに買った業者に連絡を取りました。すると、業者すらもマスコミで報道されていた通り、完全に騙された状況でした。その業者は良心的でした。何点か替わりの未公開株を提示して、好きな株を渡すとの事でした。私は、「イーマーケティング」という会社を選んで、後日その株が書留で郵送されてきました。

結末=完全詐欺に引っかかったが、替わりに「イーマーケティング」株を一株もらう。

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3.イーマーケティング
これも有名な詐欺事件となりました。その後、愚かな私は、追加で一株購入してしまいました。確か10万円位だったと思います。何故かというと、某有名雑誌の今年の話題番付というような企画があり、「イーマーケティング」が見事に投票で横綱を受賞していました。富裕層限定の営業戦略で今後の成長が期待されるとのコメントがあり、私も共鳴してしまいました。しかし、その後、あたかも上場が近づいて来たかのような環境を見事に作り上げて、さらにカモを集めていたのです。一部上場の某銀行系の信託会社を使って1株を3株に無償分割しました。上場直前に、会社はよく無償で分割しますよね。だから、当然、期待してしまいますよね。

「おっ、遂に上場される日が近づいたな!やったぞ!」

株主は皆さん、歓喜した事でしょう。
私も発狂寸前でした。

そんなタイミングで、新株発行募集(株主割当)のハガキが舞い込みました。
記憶が曖昧ですが、一株数万円で手が届く金額でした。

この株主割当増資というのも、かなり巧妙な罠であった。

もし、当時、経済的な余裕があれば絶対大量に買っていました。
普通、買ってしまいますよね。

上場直前に、未公開株が安く手に入る!

借金してでも、食らい付け!

人生最後の、一生に一度の大勝負だろ!


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メガバンク系の信託会社が取りまとめているという安心感。そのネームバリューに何の不安も感じませんよね。

そして、その募集のハガキが何回か送られて来ました。結局、私の資金不足が功を奏しました。

それから暫くして、「イーマーケティング」の社長とその周辺の人間が逮捕されました。

これも、衝撃的すぎる出来事でした。

売上金入金のため某銀行の行内テレビを見て順番待ちしていたら、連中逮捕の報道!

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「完全に50万円(DHCの分+追加購入分)の損失が確定したぜ・・・」

暫く、ショックで立ち上がれませんでした。

上場する見込みのない株、上場させるつもりのない株を売りつけた、詐欺罪だそうです。

そしてその後、私にイーバンク株とDHC株を売った投資会社の社長も逮捕されました。

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腰が抜ける程のショックでしたよ。

結果=50万円の損失



4.大塚製薬
時を同じくして、これも、言葉巧みに言いくるめられて、現物一株を20数万円で購入してしまいました。話しによると、所有者は大塚製薬を定年退職して、その際にオマケでもらった株との事でした。数年後、確かに上場しましたが、やはり単位株の変更で端株扱いとなり、売却処分しましたが、数万円の回収にとどまりました。


結果=最低でも20万円の損失


いかがでしたでしょうか。

いたずらに、DHCとか大塚製薬とかは、コンビニではかなり売れ筋を展開しており、その実力と将来性に惚れ込んでしまい、舞い上がってしまった。



「典型的なおバカじゃん!」
「バカに付ける薬はないな。」
「人間、欲張るとろくな事ないよな。」
「よく、何回も騙されたよな。奇跡だな。」

確かに、おっしゃる通りでございます。

全て自己責任です。

自分の無知無能を呪いました。一言だけ、付け加えさせて頂きますと、これらは、時をほぼ同じくして購入しました。だから、約120万円の投資金額が一体いくらに化けるのかという期待感を抱いて日々、生活していました。その期待感と夢物語を語れただけでも良かった。


と思うしかないですよね。ほんと。



そして、夢が失望に変わり、現実の損失が次々と確定していく過程でつくづく思いました。

新規公開株は証券会社から正規のルートで買うべきだった!(まず、買えませんけどね)

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しかし、私も、IPOで一回だけ当たりくじを引きました。かなり昔の話しで会社名が思い出せませんが、ソフトバンク系の会社でした。その会社は、上場後にソフトバンクに吸収されたという記憶だけあります。この時は、約2万円が25万円位になったと記憶しています。


本来であれば、ネットで調べて正確な時系列と処分のいきさつ、状況を記すべきだと考えて詳細を調べていました。しかし、なにぶん古い事件で、その記事自体が少なくて時間がかかりそうなのと、当時の怒りとムカツキが脳裏にフラッシュバックして気分が悪くなったので、敢えて、誠に勝手ながら、詳細は断念して割愛させて頂きました。

損した後に、冷静に考えれば、そんなに美味しい未公開株なら、他人に売らないで、自分で保有していますよね。

そうしない理由を考えれば、詐欺くさいと気がつくはずですよね。



コンビニ経営も、本部がなぜ直営でやらないのか、その理由を考えれば、自ずとその答えは推測できたはずだ。

しかし、親会社の一部上場の看板で、その本質が見えてこなかった。いや、見ようとはしなかった。

無条件で人を信用し、自分の人生を丸投げしたのに等しい。


しかし、全て、自己責任です。

天国であろうと地獄であろうと、全て、己の蒔いた種は、自分で刈り取らなければいけませんよね。


そして、その結果が、破産の選択でした。

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ご訪問ありがとうございました。
posted by Sun9 at 23:02| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月11日

潜入レポ〜オーナー募集説明会

ご訪問ありがとうございます。

あっという間に正月気分もすっ飛んで、厳しい現実の世界に引き戻される。初っ端から、マイナススピリットモードで、大変情けない話だが、ふと時間に追われたコンビニ時代が懐かしくなる。


しかし、最近、やたらとLくんのオーナー募集の広告が目につく。当方のブログにも、しばしば広告が掲載されているが、私の意志とは無関係に執拗に掲載されている。しかも、やたらと美味しい言葉が気になる。

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FCオーナーインターン制度

契約社員として月30万円支給

契約時には加盟金100万円免除


LくんのHPにFCオーナーインターン制度として、概要が記載されていたが、かなりそそられる内容だ。

1〜3ヶ月間の契約社員で固定給30万円。

下手なバイトをするより、かなり条件がいい。しかも、年齢条件が20歳〜65歳までとある。さらに、学歴、職歴不問のオマケ付きだ。勤務条件は、シフト制で、1日8時間45分(休憩60分、実労7時間45分)、週休2日制とのこと。ちなみに交通費も支給されるとのこと。いいことずくめだ。

さらにうまくいけば、脱サラ、一国一城の主の地位が約束されている。

それなりに、厳しい諸条件があるのだろうけれど、リストラおやじ、派遣綱渡り労働者、定年退職後の第二の人生を模索している高齢者には、釘付けになる内容盛りだくさんだ。

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「本当かよ。なんか、とんでもない裏があるんじゃねーの?」


確かに、今のご時世、オーナー不足と聞く。何が何でもオーナーを見つけ出さなければ、本部の成長もストップしてしまう。業績に直結するシビアな最大重要案件だろう。

そりゃそうでしょう。

現金自動集金所(店舗)の低賃金番人(オーナー)は何としても獲得したいから、美味しい条件で餌をまいているに違いない。鴨ネギ状態(低賃金労働力+加盟金=通常のFC契約)で自ら奴隷志願者がやって来る時代はもう去りつつあるのだろう。このような美味しい餌を撒き散らさなければならないほど、そこまでオーナー不足が深刻だと理解するべきなのだろう。


これは、その真相を突撃レポートする必要があると唐突に閃いてしまった。お断りしておくが、決してブログネタが尽きた訳ではない。

私のような、リストラおやじ系の人間でもその契約社員のチャンスが果たしてあるのだろうか。

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また、通常のフランチャイズ契約の説明はどのようになされるのであろうか。私のようなコンビニ経験者かつ破綻者がその説明を聞いて、果たして納得できるものなのだろうか。また、未経験のやる気ムンムンくんが来たら、即契約したくなるようなサプライズが用意されているのだろうか。

LくんのHPから某日某会場を予約してみた。翌日、担当の女性から丁重な電話をいただき、出席の確認と年齢の確認をされた。

とりあえず、前向きにコンビニ経営をしたいというマインドで、説明会に臨むことにした。果たして、私の心を希望とヤル気で熱くしてくれるのだろうか。それとも怒りと失望で落胆し、駄目押し的にコンビニ業界に対して嫌悪感を抱くのだろうか。

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奴隷の狩場に自ら侵入して、その実態をレポートするとは、少々悪ノリしすぎだろうか。いやいやいや、やる気まんまんのリストラおやじを代表して、なんらかの問題点があれば、それを晒すのが、コンビニ経営破綻者の社会的使命なんじゃないのか、と自惚れている自分はやはり単なるおバカなのか。

それにしても、果たして奴隷志願者は一体何人来るのだろうか。2〜30人位は来るのだろうか。


説明会当日、グーグルマップ頼りで約束の時間より40分近く早く到着した。近くのセブンくんでホットコーヒーを購入してスマホをいじくりながら時間を潰していると、会場のビルの1FにLくんのプラカードを持った社員らしき人が立っているのに気がつく。

身分を名乗り、予約があることを告げると丁重に会場への案内をしてくれた。その社員の方の言葉に耳を疑った。

「本日は◯名様のご来場です。」

(えっ、たった◯人? うそでしょ?)

私は、一番乗りだった。小さな会議室でテーブルと椅子が合計で20人分用意されていた。そして、奥にはビデオを映し出すスクリーンが用意されていた。

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担当者から名刺を渡されて、簡単なアンケート用紙を渡された。事細かに個人情報を記入させられたが、不快な部分はない。インターンを希望の場合は、その旨記入する箇所があり、私は、その旨正直に記入した。

一応、私は、サラリーマンで、可能な自己資金は最低ランクの100万円以内という所にチェックを入れた。(これは事実です。)感心したのは、最終設問で、今後の関わり合いを問う質問があり、しつこい勧誘はありえないという安心感を与えている。

今後の継続的な話し合いを希望するのかしないのか、連絡先に連絡しても良いのかダメなのか。また、よく検討して、自分から連絡する、というような選択枝もあった。

さて、定刻になり、説明会が始まりました。結局、最終的に数人のみの参加となった。当日のLくんの社員より少ないではないか。

これ、あまりにも少なくね?

御三家の一角のLくんで、休日の午前中からのスタートだ。なんでこんなに少ないのかな。どのチェーンでもこんな感じなのだろうか。やはり、コンビニオーナーの苛酷な労働環境がかなり世間に浸透してきたということなのだろうか。


トータルで、約1時間半の説明会はあっという間に終わった。ローソン劇場はあっという間に幕を閉じた。

現状の日本の人口ピラミッドからネタが始まり、いかにコンビニが成長性があるかを力説していた。

私から言わせれば、当たり前だろう。本部は、閉店を上回る数を出店しさえすれば、無理なく昨年対比をクリアでき、しかも黙っていても莫大な利益(ロイヤリティ)が転がり込んでくる。

そして、担当者の熱弁は、自然とかなりのやる気を観客に植え付け、夢と希望に燃えるマインドを作り上げていく。まさにマインドコントロールと呼ぶべきか。各所の説明で、ビデオを正確に操作して、説明とビデオの映像が完璧に一体化していた。話のリズムも緩急をうまく使い分け、かなりの熟練者だ。年齢的には、50代前半とお見受けしたが。とにかく、聴く者の心を鷲掴みにして、離さない。

この自己破産者も、我を忘れて、その気にさせられてしまった。一時的に、完全に彼の話術にハマってしまった。嘘いつわりなく、純粋にもう一度、状況が許せば、ローソンで再チャレンジしてみたい。本気でそう思わせる内容であった。説明の概要は、HPを見れば大体同じような内容であったが、担当者の熱弁に一気に畳み掛けられる感じだった。

未経験の情報未収集の小金持ち人間が、この話を聞けば、100%YESと決断するに違いない。希望と期待に胸を膨らまして、帰路につくのだろう。

特に印象に残った点は、契約タイプが二つしかなく、非常にわかりやすいということ。簡単に言えば、店の土地建物を本部が用意するのか、自分で用意するかの違いだけだ。また、多店舗展開もある程度ハードルが低いように感じた。また、単店の場合は、個人経営だが、多店舗展開では法人契約が可能らしい。

さらに、Lくんの経営理念、社長からのメッセージビデオ、某オーナーの成功体験談は完璧に熱いfilmで見応えがあった。

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ある意味、かなりの説得力があり、聴く者の心を完全に奪った。また、肝心な実際のモデル収入の説明があったが、渡された補足資料に詳しく書かれていた。概ね過大過少な数字は見当たらなかった。

人件費を912000円で計上していたが、夫婦で頑張れば十分可能な範囲だろう。また担当者は、都内では最低時給が932円となったため、100万は超えるだろうという説明は親切で正しいと思う。

資料がいろいろ渡されたが、フランチャイズ契約の留意点、問題点とチェック項目、実際にあったトラブルなどを紹介しており、これはかなり親切だと思った。チェーンの違いはあるが、私の契約した状況とは雲泥の差だと感じた。コンビニフランチャイズ契約における問題点、課題等を自ら掘り下げてまとめている。本部サイドの資料に「優先的地位の濫用」「公正取引委員会」という言葉が出てくること自体、信じられないと感じた。つまり、契約内容を自分でよく理解して、問題点、疑問点はクリアにして、なおかつ自己責任で契約してくださいね、ということだろう。これはある意味、本当に良心的だ。契約しない選択枝も、暗に提示している。

また、インターン制度に関しては、さらにサプライズが出てきた。なんと20歳〜35歳までの契約者にはオープン翌月末日に100万円の奨励金が支払われるという。これは、かなりインパクトがあるだろう。ジジーには無理だが、若い方には魅力的なはずだ。(2017年1月時点)

そして、規定の研修を終えて、審査があり、契約の説明、契約の締結、店舗オープンと駒を進められてゆく。

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ローソン劇場は、まさにいいことずくめで、それこそケチの付けようがない、完璧なドラマだった。観客の心を見事に奪ってしまうだろう。まさに、催眠商法と言ってもおかしくない気がした。

そして、個人的な質疑応答の時間が設けられて、私にもその時間が与えられた。正直、個人的な質疑応答は想定外であった。しかし、観客が少人数のため、どさくさに紛れて退散するのは不可能な状況であった。

否定的な冷やかしレベルの潜入レポであればかなり面食らったであろうが、あくまでも前向きな姿勢での参加であったため、そのような自分の気持ちをさらけ出してみた。

こちらの担当は、熱弁をふるった方ではなくて、後方で待機していた社員の方が数名で対応していた。

私の希望を聞いて、現状での問題点を丁重に指摘してくれた。まず、私の年齢でもインターン制度の利用は可能とのこと。ただし、資金的な部分で困難があるとの回答であった。インターンであっても最低でも約200万円の所持金が必要とのこと。それがクリアできれば、駒を進められるとのことでした。まぁ、門前払いに等しい状況だが、丁重に、可能性を探りながらのアドバイスを含めての質疑応答であり、不愉快な部分は全くなかった。

「現状の自分の課題が浮き彫りにできただけでも、本日参加させていただいた価値がありました。」

丁重にお礼を述べて、会場を後にした。


しかし、コンビニ失敗者の目から見れば、何点か気になる部分があった。

その部分をあえて語らないのは、アンフェアな気もするが、結婚式で葬式の話をするようなものなので、その場にそぐわないという本部の判断なのだろうか。問題点は、自分で調べて発見するしかないということだろう。また、本部の説明書にも、問題点は提起されており、それに反応できるかできないかは本人の意識の問題ということになるのだろう。

まず、最大の難点は、Lくんの経営戦略、出店計画方針として、ドミナント戦略を強く公言していたということだ。

ドミナント戦略とは特定地域集中出店戦略のことで、自分の店舗の近隣に容赦なく同じチェーンの店舗が出現してくるということだ。オーナーにとってはまさに本部主導のレベルの低いイジメとしか言いようのない<仕打ち>と感じてしまうのも無理はないだろう。

ドミナント戦略の利点として、知名度のアップと拡散、配達コストの削減、お客様の安心感の獲得等をあげていたが、じゃ、デメリットは何?と質問したかった。しかし、そういう質問は許されない雰囲気が充満していたし、説明途中での質問は禁止されていたので、聴き流すしかない。

このドミナント戦略こそが、コンビニオーナーを地獄の底に叩き落とす、血も涙もない愚策だという事実は決して語られないだろう。日販が100万あって、それが、50万円になるならば、別段問題なく生活はできるだろう。これが、50万の日販だったら、とんでもない生き地獄を味わうことになる。しかも、同じチェーンの店舗が競争店なら、差別化のしようもない。しかも、近隣店舗とのスタッフの取り合いに勝つには、より高い時給を提示しないと、いつ移籍されるかわからない。お客様、地域、本部にとっては、かなりのメリットがあるドミナントだろうが、オーナーサイドにとっては、死刑宣告を受けたに等しい。

このドミナントを公然と美化して、経営戦略の一環として意気揚々と説明されていた。

私は、冷静に、その状況を推測できる。ドミナントは、オーナーサイドにとっては、悲劇しか生まない。しかも、同時に他チェーンの新店舗攻勢にもさらされたら、それこそ生活基盤のメルトダウンは避けられないだろう。

数百万円のおまけ付きでも、長い目で見れば、コンビニ経営はやはりかなりのリスクを背負いこむことになる。

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もう一点気になったのが、人件費の高騰に関しては、ある程度のコメントがあった。その点は評価できよう。しかし、極度の人手不足に対する情報提供が一切語られなかった。人件費を使う対象(スタッフ)が存在しなければ、お話にならないだろう。オープンが決まったが、人が集まらずに、オープン延期なんていうケースもあり得るだろう。オープンしたはいいが、その後思うように人が集まらずに、夫婦で超長時間労働を強いられて、体を壊してしまった、病死してしまったなんていう悲惨なストーリー展開も完全には否定できない。

また、その労働者の質に対する現状の問題点も完全にスルーされていた。つまり、極度の日本人スタッフ不足という現実問題が語られなかった。レジで片言の日本語を耳にする機会も本当に多くなった。つまり、日本人があまりコンビニをやりたがらないという現状の惨状は無視されていた。あのセブンくんの本社1Fにあるセブンイレブンでさえ、ろくに入店時の挨拶もできない外国人がいるというのをネットで見たが、それほど深刻なのだ。日本人のスタッフでさえ、管理が難しいのに、それが外国人となれば、かなりの困難が待ち受けていよう。

それ以前に、業界全体でスタッフ自体が深刻な不足状態で、その外国人でさえも引っ張りだこのなのかもしれない。

また各チェーンの仕事内容により、スタッフ確保に格差が生まれているという。某媒体で、F→L→S→Mの大きな流れが出来上がっているという。どこにも受からなかった人間が最終的にMに行けば、まず受け入れてもらえるとのこと。こんな評判がネットで流出している。最低レベルにランクインされたチェーンは、かなり不利な立場に立たされるだろう。

さらにもう一点。

すべての説明が終了した時点で、あくまでも極秘情報ということで、直近でのオープン予定の店舗の紹介が数店あった。
これは、かなりインパクトがあった。あの超一等地の駅前での新店舗の紹介が一番印象に残った。誰でも冷静ではいられないだろう。

「嘘だろ、あそこでコンビニできるなら、やらない奴が馬鹿だろう。」

きっとそう興奮するだろう。

「でも、本当なのかよ?」

「オトリってことないだろな。各会場で奴隷希望者みんなに見せて、煽ってんじゃねーの?」

と冷静に感じ取れる人は果たして何人いるのだろうか。


さらに、さらにもう一点。

最低保証の説明があまりにも簡単で、誤解を招く内容であった。

本部が定めたフランチャイジー収入月収(155万)
ー営業上で実現したフランチャイジー収入=補填額

そもそも、営業上で実現したフランチャイジー収入とは何なのか、また本部が定めたフランチャイジー収入とは何を指すのか全く不明だ。自宅に帰り、説明書を見ると、その内容は記されてない。しかも、但し書で、店舗営業費控除後の店利益を保証するものではありません。と追記されていた。これは、何らかの規則があり、その規則はかなりハードルが高いということを推測せざるをえない。



ローソン劇場は完璧に奴隷希望者の心を奪うことに成功するだろう。しかも直近オープン予定の好立地店舗を紹介し奴隷希望者のはやる心をさらに焚きつけることに成功する。同じ金を出すなら、絶対に好立地がいいに決まっている。そう、半信半疑、迷いのあるオーナー希望者は、見事に早者勝ちを意識させられてしまうだろう。

「くそー、早く契約して、あの物件やりてー!」

本部の思う壺というべきか。

どうか、冷静に考えて頂きたい。

本当に儲かるのなら、本部直営で運営するはずだろう。

そうしない理由を考えれば、一呼吸おけるはずだ。


それでも、あらゆるリスクと困難を認識して、ローソンにすべてをかけてみたい。

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そうご判断されれば、それも一つの人生だろう。正直、この私も、再チャレンジしたくなるような内容ではあった。特に、電気代が半分本部負担とか、廃棄に対する本部負担が明確化されているなどは、かなりポイントが高い気がする。また、契約トラブルに関する、中立的立場による細かい説明がされているのにはかなり驚かされた。本部サイドの説明書類に「優先的地位の濫用」という言葉が出てくること自体、かなりブラック体質が浄化されてきたということなのだろうか。これは、ローソンに関してだけの流れなのだろうか。もしそうだとすれば、三菱ブランドによる業界浄化が始まりつつあるということなのか。

だとすれば、カリスマを失ったセブンくんの退潮(個人的な見解)を尻目に、一気に勝ちを取りに勝負をかけてくるのは時間の問題の気がする。

私の予想通り、三菱化したローソンこそ、日本の、いや世界のコンビニ、強いては小売業界の勢力を一気に塗り替える事件(サプライズ)をいつ起こしてもおかしくない気がする。

今年は、合体した三菱ローソンが台風の目となるのは間違いないだろう。

その絶大なパワーとブランド力で既存のコンビニ業界に新たな秩序を生み出して頂きたい。


スリーダイヤモンドのファミリーになるのも悪くないかも。


「おめー、歯切れ悪いな。で、オメーならやるのかよ。またやりたいのかよ。」


んーん。私なら、やり








ません。



「なんでだよ!」



このブログ20の理由からです。


しかし、あなた様の人生は、あなた様のものです。

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あらゆるコンビニ経営の困難をあらかじめ認識して、その苦労すらも乗り越えられる自信がおありであれば挑戦してみる価値はあるのかもしれない。若いうちに期間限定で荒稼ぎするというのもアリなのかもしれない。困難と苦痛と苦境はもう分かっている。私が、このブログで取り上げた20の理由を理解し、認識してその対策をキチンと立てることができれば、別段問題ないのかもしれない。そうすれば、困難は限定的になるだろう。最大のリスクである本部のドミナント攻撃は、その新規出店店舗を複数店経営で押さえられればリスクはある程度少なくなるだろう。単店ではなくて、小規模地域丸ごとオーナー制度みたいなものが出てくるのではないか。

「コンビニ経営を辞めた20の理由」は、
「コンビニ経営を始めるための20の覚悟」に変更するべきか。

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そういう意識を私に持たせるほど、今回のローソンのオーナー説明会はインパクトがあったということだろう。

ご訪問ありがとうございました。

posted by Sun9 at 17:27| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月24日

妻の異変〜突然のお別れ?


それは、突然やって来た。


「ちょっと、すごい目まいがする。」


そう言いながら、座り込んで、苦しそうにしている妻。

洗濯物を部屋干しながら、何気ない会話をしていた最中での出来事。

確かに、以前も目まいがするとかで通院していた歴史があるが、苦痛でうずくまる程ではなかった。


「気持ち悪い? 吐き気する?」

「大丈夫。」


しかし、どう見ても大丈夫そうでない。

私は、躊躇なく119番に連絡した。

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そして、妻の容態が、さらに悪化していった。ゴミ箱を抱えて、嘔吐体勢に突入していた。

「きちんと話せるか? 両手足動くか? 目は見えるか? 頭痛は?」

ほぼ、無反応だ。

脳梗塞、脳溢血、くも膜下出血を疑った。

私は、救急車の到着に備えて、妻を玄関まで連れてゆき、長女とともに待機させた。妻は、完全に立てない動けない動かせない状態で、苦痛に歪む顔が痛々しい。

私は、外に出て、近づいてくる救急車のサイレンの方向に向かった。私は、目に飛び込んできた救急車に両手を挙げて合図を送り、自宅前まで誘導した。

簡単に状況を説明した。隊員の方たちに運ばれて、救急車に乗せられた妻は、微かな声で何かを言っていた。

隊員の呼びかけと、問診が続けられていた。

そして、さらなる容態悪化を知らされて、一瞬目の前が真っ暗になった。


「後頭部の鈍痛と、両手足にしびれが出てきたそうです。」


隊員の説明に愕然としながらも、妻を見守ることしか出来ない。かなり緊急を要する事態じゃないのか。

しかし、受け入れ先の病院がなかなか決まらずに、10分以上が経過した。そして、懸命の探索のおかげで、搬入先が決まり、そこへ急行した。

救急車は、他の車両を蹴散らして、職務を遂行してくれた。動揺のあまり、時間の感覚が麻痺して、何分で病院に到着したのか思い出せない。

ストレッチャーごと処置室に連れて行かれた妻を静かに見届けるしかない。

数分後、丁重に妻の安否を気遣う言葉を残して、隊員の方たちは何事もなかったかのように落ち着いて病院を後にしました。私は、深々と頭を垂れて感謝の気持ちを伝えました。

そして、検査のためと説明されて、身動きひとつしない妻が、移動していく状況を見て、普通の精神状態でいられなくなりました。途中で嘔吐したらしい痕跡が、首元の服に付着していたのを見て、ただならぬいやな予感がしました。


このまま帰らない人となるのか?

冗談じゃない。勘弁してほしい。


散々、苦労のかけ放題で、まだ何も償いをしてない。

目頭が熱くなり、自然に涙腺が緩む。


お願いだ。なんとか無事でいてくれ。

他界した、妻の両親、私の両親に合掌してお願いした。

何とか、助けて欲しい。何とかしてください。お願いします。


待っている時間が異様に長く感じる。待合室のテレビの音声が異次元の雑音に聞こえて、頭の中を素通りしてゆく。そして、妻との思い出の映像だけが、次から次へと蘇る。


オレを置いて、先に死ぬなよ。まだ、何もしてないだろ。今朝、伊勢神宮に行きたいって言ってたじゃん。勝手にオレを残して死なないでくれよ。


ハンカチを持ってないので、両腕の袖で熱いものを拭くしかない。

そして、時間の重みに押しつぶされそうだった。


約2時間後に、妻は戻ってきた。ピクリとも動かない。そして、吸い込まれるように、問診室に消えていった。

しかし、ここに戻って来たということは、少なくとも、まだ生きているということだ。

少なからずの安堵を感じた。そして、問診室に呼ばれて、妻の容態を知らされた。


「とりあえず、脳には異常は見られません。」


先生が、神様に見えた。


目の前のレントゲン写真を見つめていたら、静かにそう告げられ、ここ数時間の絶望と緊張から一気に開放されたため、無意識に顔面がくしゃくしゃになり、言葉がでなくなってしまいました。


「奥様は、コレステロール値と血糖値がかなり高めですね。気をつけてくださいね。」


先生のそのお言葉に返答が出来ずに、こっくりとうなずくのが精一杯でした。


「ありがとうございました。」


ヒソヒソ話風になんとか言葉にすることができた。


以前からの持病である目まいが、急激に悪化したらしい。点滴をされて、処置室に移動して、付き添いが許された。まるで蝋人形のように身動きしない妻が、ふびんでならなかった。

散々、つらい目にあわせて、苦労をかけ、汚名を着せて、ストレスMax連続の日々であったはずだ。しかし、彼女は逃げ出さなかった。あまり愚痴も言わなかった。ひたすら耐えて耐え抜いた。だからこそ、これからの人生は、

My Wife First 


でいこう、と決心していた矢先の出来事であった。


配偶者の突然の健康状態の急変を身近に体験して、近未来の想定される<決別>を疑似体験したと言ったら大げさかもしれないが、それが今生の別れとなる可能性を否定できない年回りに達しているというのも事実だ。

この感覚は、20代では、まだまだずーと先の話で、30代でもあまり身近に感じないだろう。40代にさしかかれば、多少は意識するかもしれない。しかし、50代に突入して、自分の健康状態の劣化を日々確認させられると、自分の人生も妻の(配偶者の)それもついに最終章に駒を進めたのかという自覚が出てくる。


「だから、オメーは何が言いたいんだよ。」



つまり、奥様(配偶者)が元気な内に、大切にしてあげましょうね、というお節介なご提案です。これは、親孝行したくとも、親はなし、と同じような思考です。


失いかけて思い知る、その大切なひとの存在価値。


自宅に戻り、薬を飲んで、静かに寝ている妻の傍で、この記事を書いています。(入力しています。)


とにかく、無事でよかった。

生きていてくれて本当に良かった。


しかし、残酷だが、考えたくもないが、

<永遠のお別れ>

は、いつかは避けて通れないシーンだ。


だからこそ、お互い元気なうちに、目一杯かみさん孝行をしなければと、ひしひしと痛感した一日でした。


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posted by Sun9 at 03:06| 事件簿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする