2015年10月17日

第23話 No.5 経済的に不安定

ご訪門ありがとうございます

本日のテーマは「収入が不安定」です。

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開業当初、自動借金システムにより本部に対して約400万円近くの借り入れが計上されました。全てが、商品在庫代金だったと思います。そして、本部に借金がある間は、毎月の利益配分は、所定の計算式によって厳密に計算され、35万円を超えない金額で支給されていました。そして、35万円を超える部分の利益があれば、それは本部借り入れへの返済へと自動的に回されました。

だから規定以上の利益を出さないと、給料は常にMaxで35万円以下で借金もなかなか減りません。しかし、順調に本部の借り入れを返済してしまえば、純利益がほぼそのまま利益配分となり、経費コントロールがうまく出来れば当時としては、かなりの金額を手にする事が出来ました。

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ついこの前まで手取りで25万円位だった給料が、本部に借り入れがあっても、35万円貰えるのはかなりのインパクトがありました。もちろん妻との合算給でしたが、家庭の収入としては当時28歳でもらえるレベルを遥かに超えていました。

そして、当時約1年で借り入れを返済して、本部も驚く程のスピード返済を実現させました。利益配分も毎月40万円〜80万円とかなりおいしかったです。やはり、売上は季節でばらつきがありました。また、個店の立地条件でもかなり違っていたようです。

当時の平均的な利益の目安

一日の売上 40万円として

40万x31(日)=1240万円(総売上)
1240万円x0.3(利益率)=372万円(粗利益)
1240万円x0.111=138万円(ロイヤリティ)
372万-138万=234万(売上利益)

人件費   90万円
商品廃棄  20万円
水道光熱費 25万円
通信費   1万円
ゴミ処理  7万円
雑損失   1万円(レジ不足金額)
店舗維持費 10万円(保守、定期メンテナンス)
棚卸しロス 3万円(レジ前チルドケースの商品、揚げ物等の棚卸しロス)
合計    157万円(経費合計)

234万-157=77万円(純利益)

かなり大雑把な計算ですが、最低でも40万円以上、最高でも80万以下という実績が数年続きました。(ロイヤリティ部分は独自の数式だが実際と誤差は殆どありません)これは、あくまでも過去の実績であり、現状の経営環境とはかなり食い違っています。また、3ヶ月ごとの棚卸しロス(5万〜30万円)は計算に入れていません。そして、他チェーンとの違いも当然あると思います。特に、以下の項目は当時とかなり違い、オーナーの生活を
不安定にする要因の3大原因です。

1.人件費
2.商品廃棄
3.棚卸しロス(万引き等)

1.人件費ですが、直近では夫婦二人では、どう頑張っても月100万円を切るのは至難の技でした。

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開店当初は深夜時給が700円でした。昼間も500円位でした。しかし、現状では、深夜は最低でも1000円以上で、朝は950円以上、昼は900円以上、夕方も900円以上(大学生)です。これ以下の単価ですと、なかなか人は集まりません。

単純計算で
22時〜6時 7時間x31日x1050=227850
6時〜9時 3時間x31x950=88350
9時〜13時 4時間x31x900x2(人)=223200
11時〜17時 5.5時間x31x900x2=306900
17時〜22時 4.5時間x31x900x2=251100
土曜手当 24時間x4回x50円=4800
日祝手当 24時間x4回x100円=9600
交通費負担金 10000円
合計 1121800円  

これに、マネージャー(奥様)が月25日勤務で経費を浮かしたと考えて、11時〜17時で5.5時間x25x900=123750円を合計から引きます。そうすると、約100万円となります。

しかし、これは、あくまでもオーナーが休みなく31日間22時から翌9時までシフトを埋めた場合です。しかも、新人の研修時の3人シフトの時の余剰人件費、有給休暇消化分の余剰人件費、規定の休憩時間をこなさなかった場合の経費増分を含んでいません。当然、オーナーは9時に上がれるはずありません。銀行業務、発注業務等の残務があります。下手すると、お昼のピークを付き合うハメになる場合もあり得ます。そうすると、経費の節減とは無関係で帰宅時間は14時から15時ということになります。

休みゼロで働く自信はありますでしょうか?

「店長、いつもいるねー。一体、いつ休んでるの?」

「はい。寝ている時が休んでるときです。」

とお客様によく言っていました。でも、事実です。

仮にオーナーが一日休めば、約1万円の経費上乗せになります。何か用事があって休む場合は別として、意味なく休んでも、ポカーンと深夜一人で起きていないと、休み明けのシフトが地獄となります。そう考えると、生活のリズムを崩さないためにも、私は、毎日休みなく出ていました。

直近のデータではオーナー休みなしで、マネージャーは週一で休むとして、人件費は平均的に100万〜110万円でした。

2.商品廃棄については、当時は本部もそれほどうるさく注文を付けて来ることはありませんでした。だから、私は極力廃棄を出さないという路線を取りました。当時は大体、一月、原価で15万円〜20万円を目安に発注していました。しかし、直近の傾向として、レジ前のチルドケースの導入もあり、また、本部がかなり弁当とか廃棄になりやすいものに関してある程度の廃棄補填を名目にかなり大胆に発注数量を組み立てて、推薦してきました。推薦というよりも、ほぼ強制に近い感じでした。

「オーナーさん、本部もリスクをかぶるんですから、この数字で発注してください。」

本部の計画通りに売れて、ほぼ完売です! なんてこともかなりありましたが、思惑がはずれて、かなりの廃棄が出てしまえば、本部補填分を差し引いた分全てが店の廃棄負担となってしまいます。オーナーをいかにその気にさせて大量の発注を入れさせるというのが、本部担当の仕事でもある以上、仕方ありません。そのような状況ですと、廃棄金額は月で平均30万〜35万円(原価)は出てしまっていました。また、本部の指導も廃棄は一日トータルで(弁当、サンド、菓子パン、総菜類等)最低でも原価で12000円は出して下さいとのことでした。結局のところ(原価で)25万〜35万円以上毎月食べ物を捨てていました。

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3.棚卸しロスの恐怖については、第19話No.15 強盗、万引き、詐欺、内部不正等の犯罪被害 (2.内部不正)でお話ししましたが、これは、棚卸しをやってみないと分からないというのが現実でした。3ヶ月に1回、1年に4回、思わぬ不利益を計上され、全て純利益から引かれてしまいます。ある意味、これが一番、生活の安定しない原因だと思います。人件費も廃棄もある程度の努力で数字の目安がつきますが、棚卸しロスに関しては、全く予想がつきません。ふたを開けたら、とんでもない金額が計上され、利益配分がほぼゼロなんていうこともあり得ます。ただ目安として、毎月発行される本部経営レポートの「帳簿在庫金額」が売上の実績もなく徐々に増加傾向になっていると、「ヤバいな、棚卸しロスが出るかも」と予想はある程度つきますが、その金額はフタを開けてみるまで分かりません。売れた金額分だけ仕入れをしていれば、基本的に帳簿在庫はその店舗のある一定の決まった金額で常に落ち着いているはずです。

一概には言えませんが店舗売上は、コンビニの乱立で30年前よりむしろ悪いと思います。しかしながら、人件費と廃棄は増加傾向にあり、定期的に棚卸しロスというマイナスサプライズまで用意されています。

そして、この棚卸しロスが収入を不安定にし、容赦なく生活を劣化させていきます。

もちろん、棚卸しロスが出なければ問題ない話です。しかし、自分がどんなに注意しても、厳しく管理しても必ず出てしまうのが棚卸しロスです。月売価で5万円以内で押さえられれば上出来とされています。

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あなた様は、コンビニを経営したいと思われますか?


大昔に本部の担当が言っていました。

「オーナーさん、時間が欲しいのですか?それとも、お金が欲しいのですか?どちらかに決めましょう!」


人件費をかなり使い、自分の自由時間を得るのか、それともとことん経費コントロールをして、純利益ゲットに照準を合わせるのかをはっきり決めて方針を立てましょう。という意味ですが、現状の経営環境では両方ともかなり無理な店舗が多いのではないでしょうか。(もちろんかなりの努力の結果、出来ている店舗もあると思います)また、直近の本部の傾向としては「利益に走る」のは「悪」みたいな雰囲気がありました。

利益追求→経費コントロール→廃棄金額コントロール
→発注コントロール→商品品薄感、陳腐化→お客様減
→売上減少→オーナー利益減

だそうですが、現実問題として

将来の利益よりも来月の現金

ですよね。

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最後までお読み頂きましてありがとうございまいた。




posted by Sun9 at 23:41| 20の理由 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする