2015年09月11日

No.15 強盗、万引き、詐欺、内部不正等の犯罪被害 (4.強盗)

ご訪問いただきましてありがとうございます.


本日のテーマは強盗です.

「いやっしゃいませ」

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「出せ、全部出せ!」(オリジナル)

えっ、オレ、死ぬのかな?

男は素顔で犯行に及んできた.


顔を見られてもいいという事は,オレを始末する気なのだろうか?
(何かのマンガに出ていた。)

頭が真っ白になりつつも無意識にレジを開けていた。

男は開いたレジから札をゆっくり抜き取り、悠々と出て行った。


取りあえず殺されなくて良かったとホットする余裕すらなかった。


午前6時頃の出来事でした。

店内には本コーナーに立ち読みのお客様が一人いらっしゃいました。他に、人がいても犯行に及ぶとはほんとにクレージーだ。


実はこの事件には前置きがあります。

約一週間の間に近隣の商店が相次いで強盗に入られていました。弁当屋、レンタルビデオ店、コンビニとかでした。

警察からも犯人の人相、特徴、服装などの詳細な情報が寄せられていました。

本部からも、深夜はレジは片方だけにして、レジ内の釣り銭は5千円札一枚と千円4枚、後は小銭を少々で対応るようにとの指示が出ていました。

そういう状況でも、ワンオペを見て見ぬ振りをする本部に対して、やや不信感を抱いたのは事実です。


カールした黒髪の長髪で黒い帽子に黒いシャツ黒のジーンズの男



来た〜〜!

間違いない、ヤツが犯人だ!

考えても見て欲しい。

事前情報通りの男が入店してきた時の恐怖感。

私は、たまらず外に逃げました。

万が一にも、普通のお客様であった場合の事を考えて、外のゴミ箱のチェックをする振りをしていました。

すると、ヤツが入り口ドアを開けて、怒鳴りました。

「客が来てんのになにやってんだよ!」

やばい、間違えたかな。

でも、一安心かも。

「申し訳ございません、スグにお伺い致します。」

店に飛び込んでレジ前に立ち、お客様を迎えるポジションに立ちました。



そして、お客様はレジ前のガムラックから、ガムを取り(取るフリ?)、振り向き様にいきなり拳銃を突き出してきた!

というのが一連の流れでした。

後で思い出すと、本当に怖かったです。

おそらくモデルガンでしょう。

しかし、本物を見た事がないし、その区別はつくはずがない。また、モデルガンでも殺傷能力のあるものもあるらしい。

いずれにしても、死ねかもという意識だけは徐々に高揚していった。




そして、その後が大変でした

パトカーが何台も来ました。そして、例の黄色いテープが張り巡らされ、数時間営業停止状態となりました。

その分の営業利益は保証されません。

また、事情聴取に時間がかかり朝の仕事(レジ締め、銀行入金等)が全く出来ませんでした。


強盗犯は私から時間と近未来の利益まで盗んでいきました。


また、テレビの取材が何社か来ていました。

本部指示で取材には絶対に応じないでくれとのことでした。

仕方なく、バックルーム事務所の窓から店をこっそりと抜けだして、実際に帰宅出来たのは午後の4時位でした。

心身ともに疲労困憊で、本当に辛かったです。

そして、テレビで自店舗の強盗ニュースを見ました。

いつも他店の強盗事件を人ごとのように見ていましたが、まさか自分が被害者になるとは夢にだに思いませんした。

翌日近所でも強盗の話題で大変でした。

「強盗に入られたんだってね!」

「はい、死ぬかと思いました。」
「一瞬、女房の顔が浮かびました。」
「本当に、死を覚悟しました。」

何回もの同じような質問に、多少のアドリブが入ってしまったのは否定できません。

実際は、拳銃を突きつけられた時は家族の事を考える余裕なんてありませんでした。

突然訪れた死ぬかも知れないという現実。

その現実を肯定しようと努力する過程で、頭の中がカーと熱くなり、不思議と冷静に無我に近い虚脱感を感じていました。

人が死ぬ瞬間は魂がその危機を察して、先に肉体から離脱(幽体離脱)してしまうというような話しを聞いた事がありますが、まさに、そのような状態だったのでしょうか。

突然の死ぬかも知れないという現実に、恐怖心はすぐにはついては来ませんでした。むしろ犯人が去った後に恐怖心が強烈に湧いてきました。

「死んでいたかもしれない。本当に怖かった」と。

ひとつ気になる事がありました。

犯人なら普通、走って逃げるでしょう。しかしヤツは、余裕で平然と普通に歩いて帰りました。ごく普通のお客様のごとく。

人目もはばからずに犯行及んだ経緯も含めて、これらが何を意味するのか、後で理解できました。


最初の事件が発生して3週間以上経ちましたが、犯人は捕まっておらず、神出鬼没的に犯行を重ねていました。

そして、何と同じ所に再び強盗に入ったという情報が入って来ました。

そうなると、自店舗もターゲットになる可能性が出てきました。

そんなある日の事、警察から深夜22時から朝方まで、刑事を2人を待機させて欲しいとの要請がありました。

そして、私服の警察の方がバックルームで待機する中での勤務となりました。しかし、こんなに力強い味方はいませんよね。1人勤務だったためなおさらです。国家権力ホルダーのボディガード2人付きのシフトなんてめったに体験できませんよね。

しかし、こんな状態でも、本部は人的支援もなく、放置状態を決め込んでいました。

「独立した経営者なんだから、自力でなんとかするべし。」というスタンスなんでしょうか。



しかし、この時、心臓が破裂する位の出来事がありました。例の入り口ドアを破壊した、某親分さん登場です。

「よお、店長、大変だったな。一人だったのか?」

「はい、死ぬかと思いました。」
「カミさんの顔が浮かんできました」
(例のアドリブが冴え渡る)

「そうか、刃物出してきたんか?」

「いえ、拳銃です。たぶん、モデルガンだと思うんですが・・」

「素人じゃわかんねーよな」
「本物はな、銃口を見るんや。知っとる人間なら、見れば一発でわかる」

(あちゃー、それ言ったらヤバ過ぎですよ、親分さん!)

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「おい、その話し詳しく聞かしてもらおうか」




突然、バックルームから警察の方が出てきて、



職質


されたりしたら困りますよね!

最悪、「逮捕」だなんてことになったら、舎弟達に何されるか分かりません。

「てめー、ハメやがったな!」とか。

そして、さらにきわどい話しが続きました。

ハラハラドキドキですよ、本当に。

親分さんもう勘弁して下さい、マジ思いました。

警察の方がバックルームでモニターを見ています。音声もばっちり聞こえています。下手な、耳打ち、合図もできません。メモも渡せません。

本当に、生きた心地がしませんでした。

警察の方も「聞か猿」になってくれたのでしょうか。

何事もなく親分さんは出て行きました。

そして、それから未明のこと、私の緊張感も薄れてきていました。





「○○で現行犯逮捕する!」

刑事さんが直にバックルームから飛び出してきて、私に対面する犯人の右前方に立ち、拳銃を抜いて構えて、そう叫びました。

犯人が刑事さんの方を向くと同時に、背後から犯人に忍び寄っていた、もう一人の刑事さんが瞬時に拳銃らしき物を取り上げ、犯人を羽交い締めにして床に倒し、片腕を後ろに締め上げてその上に馬乗りになりました。

犯人は完全に無抵抗でした

時間にしてほんの1〜2分のことでした。

そして、数分もしないうちに各所で待機していた、別の警察の方達が20人位当店に集結してきました。

テレビで見る刑事物より遥かに迫力があり、それも生で鑑賞してしまいました。

本当にメチャクチャ格好よかったですね。本当にありがとうございましたと言いたいです。

来るか来ないか分からない犯人を、じっと待ち続けるこのような、地味な努力が日本の警察の底力なんだなと感心してしまいました。

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その後に分かった事ですが、犯人は地元の料亭のボンボンで、余りの放蕩ぶりがたたり、勘当されてしまい、日々の生活に困り果てての犯行との事でした。

彼は、警察に保護(逮捕)されたかったのではないかなと思いました。

人生に疲れ果てて、3食昼安眠付きの個室で取りあえず体を休めたい。だから、最初の犯行のときも、

「早く110して、捕まえてくれ。ゆっくり歩いて出ていくから」

だったと思います。店内にいたお客様にも、早く通報してもらいたかったのでは?と思いました。

また、逮捕のときも、あまりにも無抵抗で大人しく、されるがままでした。

「やっと、捕まえてくれた」

みたいな感じでした。

そして、その後、犯人から反省と謝罪の手紙が届きました。

私の推測したとおりのことが部分的に読み取れました。

同じ犯人に2度も強盗に入られてしまい、間抜けなオヤジと言われても仕方ないですが、不幸中の幸いで人的被害もなく、経済的被害も殆どありませんでした。

盗まれたのは、一万円以下で、保険が出たかどうかの記憶がありません。

私の記憶では、保険適用の最低条件は
1.最低でも2人体制
2.こまめに中間回収してレジ内を常に1〜2万にしておくでした。


となると、私は一人勤務でしたので、保険は適用外だったのかもしれません。


この事件後は深夜の時間帯は入り口側のレジを常に中止にしました。そして、キャッシュボックスごと、そのまま抜き取り事務所の秘密の場所に隠しました。

そして空のキャッシュボックスを追加で用意して、空のレジに立てかけて、誰が見てもレジの中身にお金は入っていませんというのが分かる状態にしていました。

下見に来た犯罪予定人も片方のレジが空なら、たぶんもう片方も現金は少なく管理されているだろう、と推測してくれる事を期待してそうしました。

コンンビを経営するということは、こういったリスクも当然覚悟しなければいけません。

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大げさかもしれませんが、ある意味、本当に、

命掛けです。  


あなた様の近所にあるコンビニの疲れきった無愛想なオーナーらしき人間も、これらのリスク、恐怖と日々戦っています。

下手したら殺されるかも知れないという恐怖。

これは、かのりのストレスでした。


でも、本部の社員さんは平然と語ります。

お客さまの入店時は、笑顔を添えて明るく元気に大きな声でお迎えしましょう。それが、最大の防犯です。

確かに。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

posted by Sun9 at 22:56| 20の理由 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする