2015年06月13日

第12話 大本営慌てる

ご訪問頂きましてありがとうございます。



本部の当店担当者に唐突に告げました。

「自己破産します。」

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ここで重要なポイントは、自分の店の商品在庫は全て私の所有物であるということでした。

経営悪化のため利益から仕入れ代金を払えない場合は、本部が立て替えてくます。

自動的に本部に対する借金が増えて行くというシステムです。

この自動借金増加システムが作動されれば、死にもの狂いで利益を上げて、本部借り入れを少しでも解消していかないと大変な結末を迎えてしまいます。

貸借対照表上の規定の純資産額を下回った場合、その不足金を本部に対して補填しなければいけません。

給料が出るどころか、本部に対して

お金を支払わなければ

契約解除

なのです

当然、この線も考えましたが、時間がかかるし、違約金の件も不透明なため諦めました

私の場合も、何度も純資産割れを引き起こしましたが、本部の温情(?)と支援でなんとか生き延びていましたが、慢性的な生活苦から到底逃れられませんでした。



当時、自動借金増加システムにより、本部に対する借り入れ金は約500万円近くに膨れ上がっていました。

このシステムは現代の奴隷制度をみごとに生み出しました。

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契約を解除されると、この在庫は自分で処分しなければなりません。
(円満満了の時は殆どの商品を本部が引き継いでくれるが)

短期間で処分しなければならないため、大抵の場合半額処分してしまいます。そうすると、確実に原価金額を下回り、完全な赤字セールになってしまいます。

つまり、商品販売代金で本部の負債を返済しきれずに負債が残ってしまいます。そうなると、最悪の場合、違約金+本部への借金を契約解除後(中途解約後)に本部へ現金で支払わなければならない。さらに、清算金という名目で意味不明な請求がオマケで請求されてくる。

そうならないために、簡単にコンビニを辞めるという選択は出来なくなります。

契約解除にならないように頑張るしかない

契約満了までとにかく頑張るしかない

契約満了を視野に入れて、就活しても
なかなか見つからない

時間がないから取り敢えず契約更新するしかない
次の更新時に辞めればいい

エンドレスのコンビニ地獄は続いてしまいます。

生活苦に陥る前に決断するべきでした。
資金的に余裕がある内に決断するべきでした。
辞めた後の生活設計をキチンと立てておくべきでした。

コンビニは始める時よりも辞めるときの方が、多大な時間とエネルギーとお金がかかる気がします。


さて、本題を戻します。

なぜ自分の店の商品在庫が本部のものでなくて、全て私の所有物であることが重要かと言いますと、自己破産を裁判所に申し立てした時点で、本部は単なる、

私に500万円貸し込んだ一債権者

となってしまうからです。

要するに、当時借入金が、銀行カードローン、クレジットカードのキャッシングなどで約800万円位ありました。

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本部は単に500万円の債権を持つ最大の債権者となり、その立場は他の債権者同様、私が自己破産すれば
全て殆どゼロになってしまうからです。

私の財産は(もちろん店の商品も)差し押さえられて、現金化され、全債権者に公平に分配されるとのことでした。

しかも、債権者リストなるものに本部の違約金700万円を記載すれば、免責が決定された時点で本部は請求できなくなるとのことでした。


そりゃ、本部もあせりますよね。

違約金どころか500万円近くも溶かしてしまう訳ですから。



その後、早急に本部からの面談の申し入れがあり、話し合いの場が持たれました。

自己破産するならしても結構。ただし、2ヶ月位待って欲しいとのこと。違約金もいらないし、清算金もいらない。毎月の生活費も支給するとのこと。

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本部のシナリオはこうです。

差し押さえを回避するために、全ての商品の所有権を本部に移す。

まず、早急に終了契約なるものを締結し、店を直営店にする。

全て直営化が終了した後に、自己破産の申し立てをする。

本部としたら当然の対応かも知れません。

本部は殆ど無傷です。

しかし、他の債権者にはモロに、迷惑をかけてしまうので心が痛みました。

また、直営店となった後、私とマネージャーが直にいなくなってしまうと、店が回らなくなってしまうため、自分達が抜けた後も、正常に店が運営できる状態になるまでは責任もって在籍すべしとのこと。

もし、それに違反した場合は損害賠償をするぞ!
と終了契約書には書かれていました。

辞めさせてやるんだからそれ位我慢しろ!
みたいな感じですよね(爆笑)

まあ、その間に就活すればいいか・・・といい方向に考えました。


「来月一日から、オーナーじゃなくて、
○○さんって呼んでね」

「オーナー、マジですか?」

スタッフの複雑な笑みはその後の困難な人生を暗示していたのかもしれません。

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最後までお読み頂きましてありがとうございました。

*2016/3/30に一部加筆し、見出しと画像を挿入しました。

ラベル:奴隷制度
posted by Sun9 at 21:22| コンビニ競争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする